雨でも乱れない広島野村、6連勝呼ぶゴロアウトの山

広島対中日 お立ち台で笑顔を見せる野村(左)と会沢(撮影・栗木一考)

<広島5-0中日>◇24日◇マツダスタジアム

広島野村祐輔投手(29)が、7回7安打無失点で今季2勝目を挙げた。4番鈴木誠也外野手(24)がコンディション不良のため2戦連続で欠場する中、抜群の制球で決定打を阻止。雨中の悪コンディションをものともせず、ゴロアウトの山を築いた。チームはこれで6連勝。8個あった借金は2まで減った。輝きを取り戻した昨年の開幕投手が、王者の猛反撃を支えていく。

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そぼ降る雨をものともせず、野村はしなやかに腕を振った。4-0の7回表1死一塁。代打松井雅を外角低めのシュートで注文通りに遊ゴロ併殺に仕留めた。ボールが6-4-3と転送されるのを見届け、右拳を小さく振り下ろした。7回7安打無失点で、チーム6連勝を演出。会沢とともにお立ち台に上がり「1人1人しっかり投げていけるようにアツ(会沢)さんのミットめがけて投げました」と話した。

燃える要素があった。主砲鈴木がコンディション不良で2戦連続で欠場していた。詳細は不明だが、不良箇所があることは間違いない。これまで幾度となく援護してくれた4番打者。今季初登板の4月3日中日戦でも、7回に逆転3ランを放って初勝利をプレゼントしてくれた。試合に出られない無念はよくわかる。「そういう中でも1人1人、全員で力を合わせてやっていくしかない」。心が引き締まった。

昨年から見違えるような制球力は、今春沖縄キャンプでの「インターバルピッチ」で身につけた。15球投げ、いすに座って休み、また15球。これを9イニング分で計135球。試合さながらに投げ込んだ。数年前に野村がチームに持ち込んだ練習法。昨年は10球×9の90球で行ったが、さらに実戦に近づけた。一塁側に傾いていた重心が矯正され、明らかに制球がよくなる実感があった。「今年はコントロールがいいですね。キレもよくなった」と進化を実感している。

緒方監督は「ずっといい状態が、いい投球が、続いている。今日も両サイド、低めにコントロールできていた。会沢が、息の合ったいいリードをしてくれた」と賛辞を並べた。2回の打席では自らのスクイズで追加点をたたき出すなど、投打にフル回転した姿が頼もしい。波に乗った野村が、チームをグイグイ引っ張っていく。【村野森】

 

▽広島佐々岡投手コーチ(野村について)「今年はずっと制球もキレもいい。こういう(雨の)天気の中、下(半身)をしっかり使えていた。シュートがよかった」