日本ハム大田5安打「わけわかんないくらい打てた」

日本ハム対楽天 試合終了後、笑顔でインタビューを受ける日本ハム大田(撮影・佐藤翔太)  

<日本ハム15-5楽天>◇24日◇札幌ドーム

日本ハム大田泰示外野手(28)が、プロ11年目で初の5安打と爆発した。1回の第1打席、右中間を破る適時二塁打を皮切りに5安打5打点。今季チーム最多の19安打、15得点に貢献した。楽天戦はチーム打率1割8分1厘と対戦5球団ワーストで苦戦を強いられていたが、待望の初勝利。奮わなかかった打線を活性化し、チームを5割に復帰させた。

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重みのある一振りを、積み上げた。大田は最後まで、安打を追い続けた。12-5で迎えた8回2死二、三塁。左前にダメ押しとなる2点適時打を放った。5安打の大暴れに「もうないです…。わけわかんないくらい安打が打てた」。やや疲れた顔で、苦笑いした。終わってみれば6打数5安打5打点。プロ11年目で、キャリアハイの5安打をマークした。

貧打に苦しむ打線を、活性化した。終わってみればチーム今季最多の19安打15得点。1得点に終わった前夜は、貧打解消へ「誰かが起爆剤にと思っている。そういう人を1人でもつくっていくのが大事」と熱弁していた。チーム得点は、直近3試合で3得点以下。特に楽天には、シーズン序盤ながらパ・リーグワーストのチーム打率1割8分1厘(23日時点)と苦手意識が芽生えつつあった。

血眼になって、安打を重ねた。1点を追う1回無死一塁で、右中間を破る適時二塁打。突破口を開くと、この回4得点で一気に逆転した。5安打中、二塁打は3本。あと1本出ればプロ野球、リーグ、球団記録だった。「僕のタイプ的には、なかなかない結果」と笑うしかないほど、安打が止まらなかった。

今年で29歳。しみじみと、自らの立場を実感する年齢になった。「このくらいの年が、社会でも引っ張っていく立場なんだろうね」。先輩が去り、後輩が増えた。この日のスタメンでは、中田に次ぐ年長。昨年末には第2子となる次女が誕生と、私生活も円熟期となりつつある。「心は、まだまだ若いけどね」と自らを奮い立たせながら、自覚ある言動が増えた。

栗山監督は「ようやくタイシらしくなってきた」と目尻を細めた。札幌で桜の開花宣言があったこの日、お立ち台で打線の状況を聞かれた大田は「開花宣言でいいんじゃないかな」と、堂々と宣言した。猛打の花は、札幌ドームでも惜しみなく咲き乱れた。【田中彩友美】

▼日本ハム大田が自身初の1試合5安打で今季3度目、通算24度目(巨人7度、日本ハム17度)の猛打賞となった。この日は二塁打が3本あり、あと1本出ていればプロ野球記録タイ、リーグ記録タイ、球団記録タイ(過去1人=糸井嘉男10年6月15日ヤクルト戦)だった。日本ハム現役選手の1試合5安打は、田中賢2度(09、10年)中島2度(15、18年)西川2度(15、18年)。