ヤクルト村上逆方向へ9号 侍同僚岡本の存在が刺激

ヤクルト対阪神 4回裏ヤクルト無死一塁、左越え2点本塁打を放ち笑顔を見せる村上(右)(撮影・横山健太)

<ヤクルト4-2阪神>◇6日◇神宮

“燕のゴジラ”ヤクルト村上宗隆内野手(19)が、逆方向へ衝撃の打球を放った。2-0で迎えた4回無死一塁、カウント2-2から阪神先発青柳の6球目、外角低めの直球を捉え左翼席中段まで運ぶ9号2ラン。チーム内では、バレンティンの8本塁打を抜いて単独トップに立った。9本中4本が逆方向への本塁打。「次の打者につなげるため、四球でも出塁できたらと思っていた。自信を持って、逆方向に飛ばせるんだという気持ちで打席に入っている」と明かした。

守備でも心強い相棒がいる。7回に一塁の守備につく際、黄色のファーストミットには「kazuma 25」の刺しゅうが入っていた。4月12~14日の巨人戦(東京ドーム)で、土橋内野守備走塁コーチが巨人の4番岡本に「1つ、村上にあげてくれないか」と間に入って頼み、手にしたもの。「すごく使いやすくて感謝しています」と愛用している。

22歳の若さで巨人を背負っている岡本とは侍ジャパンでチームメートとなり、刺激を受ける存在になった。「目標というか、自分も早くヤクルトの中心として引っ張れるようになりたい」。ライバル球団ながら、自チームの勝利のために、という気持ちは同じだ。

勝利に貢献したが、試合後の表情は曇りがちだった。三塁に入っていた6回の守備で、2死二塁から阪神梅野の強烈な三塁線への当たりに飛びつくもトンネルし、失策で1点を献上した。「投手に申し訳ない。しっかり捕って投げれば回は終わっていた」と猛省していた。悔しさを糧に“燕のゴジラ”はさらに成長する。【保坂恭子】