広島、移動距離2000キロ最後は総力戦で5割復帰

緒方監督(左)は決勝打を放った西川(中央)を迎える(撮影・前岡正明)

<中日2-7広島>◇6日◇ナゴヤドーム

王者広島が底力を発揮して勝率を5割に戻した。劣勢の展開から土壇場9回2死から1点差を追い付き、3試合連続延長戦となった10回に勝負を決めた。1死満塁から5番西川龍馬内野手が左中間を破る3点三塁打。さらに安部友裕内野手が2ランで突き放した。4連勝で4月27日以来の勝率5割復帰だ。

選手の疲労は蓄積されていた。広島から神宮へ移動して始まった連戦は10試合目。総移動距離は約2000キロに達した。試合前シートノックを8試合連続先発の鈴木誠也外野手と9試合連続先発のサビエル・バティスタ外野手が免除された。前日まで4連投だった抑え中崎翔太投手、セットアッパー・ヘロニモ・フランスア投手はいずれも登板を回避する事態だった。

先手を奪われたが、磯村嘉孝捕手の1発で流れを変え、中村恭平投手、菊池保則投手の中継ぎ陣が追加点を与えず。9回に代打松山竜平外野手が執念の同点打。10回はそれまで沈黙していた野手陣が爆発した。総力戦で連勝街道を伸ばして借金完済。緒方孝市監督も「選手の頑張り、そこに尽きる」と諦めずに戦ったナインを手放しでたたえた。【前原淳】

▽広島西川(延長10回に決勝三塁打)「(前打者鈴木の申告敬遠に)火が付いたじゃないけど、ここで決めるしかないと思って立った。最低でも外野に飛ばせば何とかなると思った」