楽天福井また山賊封じ 山川の気迫のにらみに動じず

西武対楽天 今季3勝目を挙げた楽天福井(撮影・たえ見朱実)

<西武4-8楽天>◇6日◇メットライフドーム

獅子キラー健在だ。楽天福井優也投手(31)が、西武打線を5回3安打、犠飛による1点のみに封じた。

これで対西武は今季3戦全勝で、昨季パ・リーグ王者をお得意様状態。前回4月24日の日本ハム戦で2回0/3を投げ5失点KOされた屈辱からもはい上がった。新加入の右腕が、楽天の欠かせないピースになりつつある。

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福井はひょうひょうと投げた。3回1死一、二塁。打席には主砲山川を迎えていた。初球のフォークが相手の頭付近に抜ける。尻もちをつきながらよけた山川は「このやろう」と言う声が聞こえてきそうなほどに、にらみつけてきた。それでも福井は動じない。打ち気をはぐらかすように変化球を続け、最後は真ん中高めスライダーでボールの下を振らせ、左飛に打ち取った。「ランナーを出しても切り替えて投げられました。試合を壊さなかったのが良かったですね」。気持ちよく汗をぬぐった。

広島時代は西武との対戦はなかった。昨オフ楽天菊池とのトレードで加入。今季初めて山賊打線と相まみえると、好相性を発揮。四球を恐れず、とにかく腕を振るスタイルがはまった。西武を相手に3試合16イニングを投げて13与四球。この日も毎回の5四球を出しながらも「荒れ球は自分の特徴」と、的をしぼらせず、四球から崩れることもなかった。「西武打線の怖さもあったんですけど、ビビってボールになるよりはしっかり腕を振って。そう思って投げました」。

前回、4月24日の日本ハム戦で3回をもたずに降板した時は「試合をつくれず申し訳なかった」と悔しさをあらわにした。昨オフ、楽天菊池とのトレードで新天地にやってきた。新加入の男だけに、チームに貢献したい思いは人一倍あった。この日は、トレードの相手だった菊池も中日戦にリリーフ登板して勝利。トレードが成功だったと、2人して証明した。