秘密兵器や!阪神原口交流戦DHも 2軍戦で復活打

ウエスタン・リーグ阪神対中日 試合前のシートノックで二塁へ送球する原口(撮影・加藤哉)

<ウエスタン・リーグ:阪神1-3中日>◇9日◇鳴尾浜

大腸がんから再起を期す阪神原口文仁捕手(27)が9日、ウエスタン・リーグ中日戦(鳴尾浜)で復帰後初安打を放った。代打で実戦復帰した8日に続き、5番DHで初のスタメン出場。2回に会心の中前打を運んだ。今後も守備機会などを順調にこなしていけば、6月の交流戦で秘密兵器となる可能性は十分だ。

2回の第1打席。先頭で打席に立つと、19歳の新人左腕、垣越の変化球をジャストミート。打球は中堅の芝生で弾んだ。「(やっと)開幕したかな」。復帰2打席目での快音に、安堵(あんど)の表情を見せた。

8日の打席では直球を捉え、フェンス際まで運ぶ右飛。この日は変化球にうまく反応し「バッティングの方は、打席の中で対応できている」と、良い手応えを感じている。続く2打席は死球と二飛で2打数1安打。9回に代打を送られ交代した。背中への死球も「全然、大丈夫です」と問題なしだ。

矢野監督は「まずは2軍でやるのが次の目標。1軍へのステップアップになっていくと思う」と焦らせるつもりはない。だが連日、力強いスイングを見せられれば期待も膨らむ。指名打者制がある6月の交流戦で、秘密兵器になる可能性は十分ある。

原口は今後について「打席を重ねて、守備機会を重ねて、どんどん実戦感覚をつけて結果を出していきたいと思います」と力強く話した。平田2軍監督は「実戦で慣らしてゲーム感を取り戻して。そのうち守備にも着かなければいけない」と明るい見通しを明かした。10日からは同リーグ・オリックス3連戦で、11、12日の和歌山遠征にも同行する予定だ。1歩ずつ、確実に。背番号94が復帰へ歩みを進める。【奥田隼人】