日本ハム大田が2安打3打点、尊敬矢野氏助言で成長

日本ハム対西武 スタンドのファンにあいさつする杉浦(左)と大田(撮影・黒川智章)

<日本ハム8-0西武>◇11日◇札幌ドーム

“恐怖の2番打者”が大爆発だ。日本ハム大田泰示外野手(28)が11日、西武8回戦(札幌ドーム)で2安打3打点をマークし、2連勝に導いた。3回に左中間を破る先制の適時二塁打を放つと、5回1死一塁では左翼スタンドへ6号2ランを放った。5月は打率4割と打線をけん引している。

お立ち台で大田が振り返った。「ゲッツーを打った後だったので、思い切りバットを振りました」。3回無死一塁の第2打席。立ち上がりから制球が不安定だった西武先発今井の5球目を振り抜き、左中間を破っていく適時二塁打。「甘くきた球をしっかり振れた」。4月23日以来の先発となった杉浦を援護する先制点をもたらした。

初回の凡打を取り返した。西川が四球で出塁した直後の第1打席で、初球に手を出し二塁への併殺に倒れた。「1つの失敗で得たものを生かせたのはよかった」。同じく西川を一塁に置いての第2打席。「しっかりそこでリセットして、次の球に集中することが大事だと思う。そこに集中できて、間を抜けてくれたのでよかった」。続く5回1死一塁の第3打席では、ファンの待つ左翼スタンドへ6号2ランと試合を決定づける大きな1発を放った。

尊敬する先輩コーチから刺激を受けている。昨季限りで現役引退し、今季からチーム統轄本部特命コーチを務める矢野氏の存在だ。試合前練習など積極的に会話するなどしてアドバイスを得ている。「僕の知らないところでの野球のメンタリティであったり、野球に対する考えであったり、そういうのを聞けるのも新鮮だし、僕にとってはプラスになる」と話す。矢野は「人間的にものすごく成長している。野球のことをいちばんに考えているし、今まで以上に本気度を感じる」と目を細める。

5月に入ってからここまでの打率は4割ちょうどと絶好調だ。「シーズン終わってみての数字が全てだと思う。今はよくても、結局シーズン後半、優勝争いしている時につながってこないと意味がないと思う」。開幕してまだ36試合。頼れる男は満足せず高みを目指す。【山崎純一】