中日ドラ3勝野、初黒星も大器片りん 与田監督称賛

中日対巨人 中日先発の勝野(撮影・垰建太)

<中日1-4巨人>◇17日◇ナゴヤドーム

敗戦の中で、ルーキーの好投が希望の光になった。中日ドラフト3位の勝野昌慶投手(21)がプロ初登板初先発で巨人打線に1歩も引かなかった。力強い直球にスライダー、フォークなどで5回まで1安打無失点。しかし6回に不運に泣いた。1死満塁から主砲岡本を打ち取ったかに見えた三塁線へのゴロ。打球はベースに当たり、高橋の頭上を越える先制の2点タイムリー二塁打になった。さらに1点を失い、6回4安打3失点で降板した。

「先頭の投手を出して、リズムが崩れた。悪い流れになった。5回まではテンポ良く投げられた。次のチャンスがあれば、(今日の)初回から5回までのような投球がしたい」

中日の新人投手で巨人戦のプロ初登板初先発初勝利は、87年の近藤真一(現真市=中日スカウト)以来の快挙だったが、運と打線の援護に恵まれずプロ初黒星となった。

先発陣の駒不足が深刻。2軍で結果を残していた勝野に、白羽の矢が立った。昨秋にドラフト指名を受けた根尾ら6選手で、1軍デビュー一番乗りを果たし、投球内容も上々だった。与田監督は「初登板で素晴らしい投球をしてくれた。いろんな球をうまく使えていた。何よりも非常に落ち着いていた」と称賛した。昨秋には社会人日本選手権で三菱重工名古屋を日本一に導き、MVPを獲得。大舞台で大器の片りんをのぞかせた。リベンジの機会はすぐに訪れるはずだ。【伊東大介】