スター不在の立命大V 4チーム制導入で総合力向上

12回裏立命大1死満塁、代打大杉のサヨナラ押し出しで三走大本(1)が生還しリーグ優勝に歓喜の立命大ナイン(撮影・清水貴仁)

<関西学生野球:立命大4-3同大>◇最終節2回戦◇26日◇わかさスタジアム京都

立命大が全5チームから勝ち点を奪い、2季ぶり39度目の優勝を飾った。延長12回、押し出し四球で決着をつけた。6月10日開幕の全日本大学選手権(神宮、東京ドーム)に出場する。

全日程が終了し、5勝を挙げた立命大・坂本裕哉投手(4年=福岡大大濠)が最優秀選手賞、最優秀投手賞、ベストナインを受賞。首位打者賞は立命大・池上颯内野手(2年=報徳学園)が初めて獲得した。

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胴上げされた後藤昇監督(58)は「この2~3年では一番厳しい練習をさせた。よくついてきてくれた」と目尻を下げた。

DeNA東、楽天辰己と2年連続でドラフト1位が抜けた。スターは不在。「去年の4年生はボスザルみたいだった。今年は優等生が多い」。主将を託した大本拓海捕手(4年=掛川西)に「4回(4年生)の意地を見せてくれ」と常に鼓舞。大本は4番を張り続け、坂本は5勝&防御率0・84の大黒柱になった。数少ない4年生が軸になり、近大有利の下馬評を覆した。

冬季は選手個々の自立を目指し「4チーム制」を実施。主将、副主将らが最強チームを考え、ドラフトで選手を“獲得”。班ごとに練習し、紅白戦でしのぎを削った。「妥協がなくなった。厳しさを追求した」と大本。競争の中で下級生が台頭。池上が遊撃のレギュラーで打率4割。後藤監督は「層の厚さがうちの強みです」と胸を張る。

就任5年目の後藤監督は「野球以外でも日本一と言われる野球部にしたい。気遣いでも、ユーモアでも何でもいい」と人間教育に力を注ぐ。2022年の創部100年目を見据え、常勝軍団を目指す。【柏原誠】