広島最多13得点“つなぎの5番”西川で攻撃多彩に

ヤクルト対広島 1回表広島2死一塁、右前に安打を放つ西川(撮影・たえ見朱実)

<ヤクルト0-13広島>◇30日◇神宮

広島打線の勢いが止まらない。1回からプロ初先発の高卒2年目山口を強力に援護。1発あり、機動力あり、連打ありの多彩な攻撃で、今季最多タイ16安打、同最多13得点を挙げた。猛攻でプロ初勝利をお膳立てし、球団新記録となる月間19勝目に花を添えた。

“つなぎの5番”が猛攻を呼んだ。1点を先制した1回、2死一塁から5番西川はたたきつけるような右前打でランエンドヒットを成功させた。一、三塁とし、磯村の二塁打で一塁から生還した。5回も無死一塁からランエンドヒットで打球を左前に落として一、三塁。ヤクルト先発小川を5回途中KОにつなげた。6回には二塁打で田中の3ランの呼び水となった。固定されつつある新クリーンアップが下位打線とかみ合い、大量得点につなげた。

3人で10出塁で7得点の中軸に、東出打撃コーチは「あれだけ出塁率の高い誠也の後が大事。西川はつなぎの役割」と上位打線と下位打線を連結させた西川の働きをたたえた。猛打賞で球団4位タイの22試合連続安打に伸ばしても「(5番では)いいプレッシャーで立てている。つなぐ意識しかない」と平常心を貫く。

“つなぎの5番”の存在で得点力も上がった。4月は24試合で6度しかなかった2桁安打が今月は同じ24試合で15度。1試合平均の得点は、4月は3・4点から5月は5・4点に跳ね上がった。開幕から安定する投手陣と調子を上げた打線ががっちりとかみ合い、広島は快進撃を続ける。【前原淳】