阿部400号「最高で~す」王、長嶋以来巨人3人目

6回裏巨人2死、通算400号の勝ち越しの右越えソロ本塁打を放ち花束とボードを手に受け取った阿部はファンの声援に一礼で応える(撮影・垰建太)

<巨人6-5中日>◇1日◇東京ドーム

巨人阿部慎之助捕手(40)が、史上19人目となる通算400本塁打を達成した。

同点の6回2死、中日田島の142キロを右翼席上段に運んだ。興奮した原監督もベンチを飛び出し、阿部と抱擁。記念ボードと花束を手に、ファンの大歓声に応えた。

阿部 打ったのはシュート。狙ってはいないけど、甘い球が来たらフルスイングすると決めていた。ありがとう!

プロ19年目の今季は、原監督に志願し、入団時から定位置だった捕手で再スタートを切った。開幕から代打の切り札として、勝負強さを発揮。この日は5回に代打で出場。一塁の守備につき、この日2打席目、今季通算27打席目で待望のメモリアル弾を放った。

初本塁打は1年目の2001年4月13日横浜戦(東京ドーム)で河原から。また、捕手の通算400号達成は野村克也氏、田淵幸一氏以来、史上3人目の快挙。巨人の生え抜きでは王貞治、長嶋茂雄以来の記録になった。

試合は坂本勇のサヨナラ打で勝利。坂本勇と並んでお立ち台に立った阿部は「最高で~す! 本当にありがとうございます。なかなか打てるものではないと思っていた。監督がいいところで使ってくれるので、そう思って準備をしている。(監督は)僕と同じくらいホッとしているのではないか。何より連敗が止まって良かった。いつも代打の時、大きな声援ありがとうございます。これが励みで、まだまだ頑張ろうと思える」と話した。

▼阿部が1日の中日10回戦(東京ドーム)の6回、田島から今季1号を放ってプロ野球19人目の通算400本塁打を達成した。初本塁打は01年4月13日横浜1回戦(東京ドーム)の河原からで、00年以降に入団した選手では最初に記録した。40歳2カ月で達成は山崎の42歳9カ月に次ぐ2番目の年長記録で、出場2211試合は中村紀の2195試合を抜いて最も遅い。

▼巨人で400本以上は王、長嶋に次いで3人目。阿部は捕手で1666試合出場しており、捕手で1000試合以上出場して400本は野村に次いで2人目。10年には自己最多の44本打ったが、本塁打王は獲得していない。本塁打王なしで400本は5人目。

▼阿部はローズと並び最多の228人から本塁打を記録。ローズの228人目は462号の09年岸(西武)で、400号時はローズよりも多い。阿部が本塁打を打った試合は268勝91敗10分け、勝率7割4分7厘。400本以上では秋山の7割3分6厘を抑えて勝率が最も高い。捕手で長年プレーした阿部にとっては、多くの投手から打ったことよりも、本塁打試合の勝率が高い方がうれしい記録かもしれない。