辻監督2度驚きの山川連発 初対戦でも自身の形貫く

西武対広島 5回裏西武無死、左越えに本塁打を放つ山川(撮影・たえ見朱実)

<日本生命セ・パ交流戦:西武9-2広島>◇6日◇メットライフドーム

「日本生命セ・パ交流戦」で実現した昨季両リーグ覇者の対決は、山賊打線を擁する西武に軍配が上がった。

主砲山川穂高内野手(27)の2打席連続弾を含むチーム5本塁打で広島に大勝。今季もセの首位を走る強敵を相手にカード勝ち越しを決めた。試合後には、驚異のペースで本塁打を積み重ねる山川の雄たけびがメットライフドームに響き渡った。

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山賊打線が、いきなり広島山口に襲いかかった。2点を先制された直後の1回裏。秋山の通算18本目の先頭打者弾が反撃の合図だった。「先制された直後だったので、先頭打者として塁に出るという気持ちで打席に入りました」。すぐさま同点に追いつくと、1点リードした3回には山川が右中間深くへ放り込んだ。スタンド奥の通路へと消えていった特大24号2ランに、辻監督も「右中間のあそこへの当たりは初めてみた」とびっくりだ。

5回には再び山川だ。アドゥワの低め直球を強振すると、ボールは高い弧を描き左翼へ。山川が「上がりすぎたかなと思いましたけど、いったとは思ってました」と振り返れば、辻監督は「あの角度だろ。上に打ったような感じで、オレが打ったらただのレフトフライだ」と再び驚いた。

栗山、外崎にも1発が飛び出し、5発14安打9点で圧勝した。1-9で惨敗した前夜の借りを返し、セ首位を相手にカード勝ち越しだ。試合後のメットライフドームには山川の「この勝ち越しを勢いにして明日からも勝ちたいです。3、2、1、どすこーい!」という雄たけびが響いた。

なぜ初めて対戦するような投手でも打てるのか? 山川と秋山が解説した。

山川 データはプラスアルファで見るくらい。基本は自分のスイングがしっかりできていれば、相手ピッチャーがどうとかはあまり意識しないでいい部分。

秋山 普段よりも「打った、打たない」という前(対戦成績)のことを考えなくていい。まっさらな気持ちで集中してやれる。交流戦はフラットに入れているのが良いんじゃないですか。相性もなにもないので。

自分のプレーさえできれば結果はついてくる。その思いがあるからこその大勝だ。25発、60打点で両リーグトップを走る山川は、今季50本塁打が目標と公言する。「メディアのみなさんが(本塁打の)ペースを書くけど、そこはあまり意識しない。50本に向かってやる練習だったり、自分の感覚をより意識してやりさえすればいい」。その言葉に自信が詰まっていた。【千葉修宏】