広島遠藤が上々初登板「強気で」同期に刺激1回0封

広島対ソフトバンク 7回に登板した遠藤はソフトバンク打線を3者凡退に抑えベンチへ(撮影・梅根麻紀)

<日本生命セ・パ交流戦:広島3-6ソフトバンク>◇7日◇マツダスタジアム

上々デビューだ。広島遠藤淳志投手(20)が7日、プロ初昇格した「日本生命セ・パ交流戦」のソフトバンク戦でプロ初登板を果たした。4点を追う7回に3番手として登板し、プロ初三振を奪うなど、打者3人を無安打無失点に抑えた。チームが連敗した中で20歳右腕の躍動は希望の光。同期入団の山口らとともに、広島投手陣を刺激していく。

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初昇格した日に訪れた初登板にも、20歳遠藤は懸命に腕を振った。4点を追う7回に登板。「緊張で体がフワフワしていた。強気の投球でいこうと。必ず腕を振って自分の思った球を投げることを意識した」。いきなり真砂からスライダーでプロ初三振を奪うと、続く高田を三ゴロ。さらに3番内川にも真っ向勝負を挑み、三ゴロに打ち取った。球数14球、打者3人を完璧に抑える上々のデビューとなった。

高卒2年目での初昇格にも、「ようやくです」ともらした。同期入団で同い年の山口は一足早く5月6日に初昇格し、同30日にはプロ初勝利も手にした。プライベートでも仲のいい球友を祝福する気持ちも当然あった。だが「悔しさの方が強かった」とライバル心を隠そうとはしなかった。

根っからの負けず嫌いだ。おとなしそうなベビーフェースからは想像もつかないが、武闘派の一面がある。「子供のころからけんかっ早かった」。小学校に親が呼び出されたことも何度かあったという。強気な姿勢は投球につながった。プロ初登板で大きな緊張を背負いながらも、2年連続日本一のソフトバンクを相手に攻める気持ちを貫いた。

2死から対戦した内川とは16歳違う。「小さいころから見てきたスター選手。こうして戦えることを誇りに思う」とプロ野球選手になったことを実感しながらも、かぶりを振る。「でも今はプロ。ここからです。変化球のときにもっと腕を振れれば、もっといい投球ができると思う」。1歩目を踏み出したに過ぎない。

遠藤に続き、8回は再昇格の1年目島内が3者凡退に抑えた。若手投手の奮闘に緒方監督も「どんどん経験して、結果内容が良かったら自信にして頑張ってくれたらいい。(遠藤は)内容と結果を見ながら起用法を考えていきたい」と目を細めた。連敗とはなったが、チームに若手投手が新しい風を吹き込んでいる。【前原淳】

▽広島佐々岡投手コーチ(初登板の遠藤に)「投げっぷりは良かった。力みはしょうがない。結果として無失点。いいスタートじゃないか」

◆遠藤淳志(えんどう・あつし)1999年(平11)4月8日生まれ、茨城県出身。霞ケ浦で甲子園出場はなし。17年ドラフト5位で広島入り。今季ウエスタン・リーグでは10試合に登板し、3勝1敗、防御率3・29。54回2/3で49奪三振を記録し、奪三振率は8・07。184センチ、78キロ。右投げ右打ち。