内川座りいい3番でV打!現役通算安打も阿部にM2

ヒーローになった内川はスタンドのファンに向かって手を振る(撮影・梅根麻紀)

<広島2-4ソフトバンク>◇8日◇マツダスタジアム

ソフトバンクが広島との接戦を制し、12球団唯一の交流戦全勝をキープした。今季3度目、最長タイの5連勝でがっちり首位固めに成功。チームの窮地を救ったのは「3番内川」だ。

前日7日から3番に入った内川聖一内野手(36)は、同点の5回1死二塁。広島ジョンソンのスライダーを左翼線に運ぶ技ありの一打で、決勝点をもたらした。「みんなが頑張って、あそこに立たせてもらった」。内川にとって今季2度目のV打だが、クリーンアップでは今季初だった。

試合前練習の時点では、主砲デスパイネが左翼で先発予定だった。だが守備練習による右肘の違和感などを考慮し、直前で先発を外れた。今宮も古傷の左太もも裏の状態を見て、2試合連続欠場。自律神経失調症から復帰して試合に出続けていた中村晃にも休養が与えられた。

この日の打線には開幕メンバーが内川、グラシアル、松田宣、甲斐しかいない苦しい状況。その中で、百戦錬磨の内川が主軸に座った。「1本しか出ていないけど、一番いいところで打てて良かった。(3番は)長く打たせてもらっていた打順だし、リズム感みたいなものはあった」と、本来の居場所で輝きを放った。

この日の安打で2092本目とし、現役通算安打1位の巨人阿部に2本差と迫った。9日にも頂点に立つ。「5連勝はしているけど、全員で1勝1勝、積み重ねながらの5連勝」と内川。安打を積み重ねてきた男が、チームの勝利も積み重ねていく。【山本大地】