黒田→マエケン→大瀬良 節目28歳迎えて何を思う

練習中にチームメートと会話する広島大瀬良(撮影・前原淳)

28歳の誓い。広島大瀬良大地投手が17日、28歳の誕生日を迎え、自覚を新たにした。初めて開幕投手を務めた今季は、大黒柱としてチームを勝利に導いてきた。防御率、完投数はいずれもリーグトップ。エースと呼ばれるまで成長したが、右腕はさらなる高みを見つめて課題の立ち上がり克服に努める。大瀬良は「日本生命セ・パ交流戦」の19日ロッテ戦(マツダスタジアム)に先発予定だ。

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節目の年齢を迎えても、大瀬良は変わらない。後輩ばかりの先発投手の練習を終えると、額の汗を拭いながら自覚を口にした。「二十歳の頃のようなワクワク感はないですけど、もっともっと下を引っ張っていきたいなと思います」と胸を張った。

28歳は歴代エースの節目の年齢ともいえる。黒田氏は初の開幕投手を務め、初の200イニングを達成。前田(ドジャース)は米大リーグ移籍1年目で16勝をマークした。大瀬良も今季初の開幕投手を務め、チームトップタイの6勝。防御率2・02、4完投はいずれもリーグトップの数字を残す。周囲にエースと認められる存在となった。

それでも、本人に満足感はない。5月以降の7試合中、4試合で序盤3回までに失点するなど立ち上がりに課題を残す。「そこ(立ち上がり)さえできれば、もっといい形でゲームを進められたんじゃないかなって思います。そういうタラレバを次に生かすのも大事」。真のエースを目指し、さらなる高みを見つめる。

課題克服のため、キャッチボールの意識を変えた。立ち上がりの投球改善へ、体を大きく使ったウオームアップの意識ではなく、実戦に近い形で投げるようにした。「この1週間はしっかりしたフォームで、ある程度の力でリリースポイントや体の使い方を意識して準備してきた」。次回登板は19日ロッテ戦。昨年は4回に4失点しながら勝ち投手となった。今季は課題の立ち上がりを乗り切り、リーグトップタイの7勝目を狙う。【前原淳】