阪神は交流戦勝ち越し消滅 出場なし福留のケガ深刻

楽天に連敗しファンに頭を下げてあいさつする矢野監督(左)(撮影・上田博志)

<日本生命セ・パ交流戦:阪神4-9楽天>◇19日◇甲子園

阪神がBクラス転落の危機を迎えた。「日本生命セ・パ交流戦」の楽天戦で、延長10回に中継ぎ陣が踏ん張れずに5失点。福留孝介外野手(42)がコンディションに不安を抱え、3戦連続で先発から外れた。

主軸を欠いた打線は3回以降、チャンスをモノにできなかった。今季ワーストの5連敗を喫し、交流戦の勝ち越しが消滅。4位DeNAに2ゲーム差に迫られた。

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最後はサンドバッグ状態だった。延長10回に登板した6番手守屋が先頭ブラッシュへの四球などで無死満塁とすると、続いてマウンドに上がった能見が打ち込まれて一挙5失点。緊迫の試合は、糸の切れたたこのような展開になった。

8戦連続無失点と奮闘していた守屋がこれで2試合連続の負け投手。矢野監督は「四球がもったいない。気持ちの中で向かって行ったんならいいんだけど」と、渋い表情で振り返った。ジョンソン不在の状況で、リリーフ陣が苦しんでいる。

攻撃面もストレスのたまる展開だった。初回に大山の先制3ランでスタートを切った。押せ押せのはずが、続く2回無死満塁のチャンスでは消化不良の1点止まり。5回、9回と三塁まで走者を進めたが、走者が本塁を踏むことはなかった。9回のサヨナラ機も大山、マルテが凡退。取れそうで取れないもどかしさ。攻撃陣が陥った負のスパイラルが逆転負けにつながった。

今後への不安材料を残した。ベテラン福留が3試合連続で先発を外れた。11日に右ふくらはぎ筋挫傷から1軍復帰。16日オリックス戦では引き分けに持ち込む2点打を放った頼れる男が、この日は代打起用もなく、最後まで打席に立つことはなかった。矢野監督は「まあ、足の状態もあるから。(不安が)なかったら使うけどね」と説明。先発右投手を相手にスタメンから外れたことがその深刻さを表している。

チームは今季最長のトンネルに入ってしまった。これで引き分けを挟んで今季ワーストの5連敗。最大6あった貯金は、まさかの黒星地獄で一気に1まで減ってしまった。上位の巨人、広島がそろって黒星を喫した日に「お付き合い」してしまった。振り返れば、4位DeNAも2ゲーム差で迫っている。ジョンソン不在の中継ぎにかかる負担と、屈指の勝負強さを誇る福留の状態…。矢野阪神が大きな悩みを抱え、交流戦の勝ち越しが消滅した。【桝井聡】