菅野に「リズムもへったくれも」原監督交流戦全語録

巨人対ソフトバンク 2回表ソフトバンク無死一塁、打者和田に四球を与えた場面で、菅野を降板させ、ベンチでうつむいて考え込む原監督(奥)(撮影・浅見桂子)

<日本生命セ・パ交流戦:巨人1-5ソフトバンク>◇23日◇東京ドーム

5年ぶりの交流戦優勝を逃した巨人だが、ソフトバンク戦まで5カード連続で勝ち越し、11勝7敗でセ・リーグ首位に立った。

原辰徳監督(60)の言葉をもとに「若大将の交流戦語録」と題して18試合の戦いを振り返る。

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◆4日楽天戦(今季初めて岡本を4番から動かし6番で起用)「やや『Big Baby』が困っているかなというところでね。少し助けてあげようかと。勇人、丸、頼むぜと、いうところですね」

◆5日楽天戦(今季初めて阿部を4番DHでスタメン起用)「チームの最善策ですね」(同点の8回1死一、二塁から4月24日以来の登板になった吉川光がストレートの四球で満塁とピンチを広げ敗戦)「ウオーミングアップを見てても1球も入っていなかった。本来ではないと信じたいね」

◆6日楽天戦(桜井が1163日ぶりの先発マウンドで7回2/31失点で先発としてプロ初勝利となる今季2勝目を挙げた)「自分の球種を、変化球を含めて偏ることなく、まんべんなく使えたというところが良かった」(マシソンが今季初登板)「彼のファイティングスピリットというか、非常に強い闘争心が、病気もケガも、早く回復させた。敬服しますね」(4番から打順を下げた岡本が3連戦で6安打と復調)「もう『Big Baby』と言えなくなったね」

◆7日ロッテ戦(2年目若林がプロ1号)「ファームのスタッフのいい指導の中、私自身もそれを信じて彼を使った。彼の良さがその通りに出た」(岡本を4戦ぶりに4番に戻す)「10人野球から9人野球に変わったというなかでの、最善策という風にね」

◆8日ロッテ戦(3連投のポリバレント・クローザー中川が今季初黒星)「多少、疲れも…。まあ、でもそんなこと言っている場合じゃないしね」

◆9日ロッテ戦(復帰登板の菅野が炭谷とバッテリーを形成して勝利)「一生懸命、小林もリード面において勉強してます。少し階段はのぼってくれてると思います。しかし、銀ちゃんのほうがね、1枚、2枚まで言わないけど、1枚半上回っている」(阿部が通算229人目から本塁打を放ち)「ほお。もう僕の語るところではないです。かしわ手打たないといかんね」

◆12日西武戦(古巣相手に炭谷が好守で活躍)「この球場で培ったというか、正しく自分を業してたんでしょうね」

◆13日西武戦(阿部が通算350二塁打)「あー、そうですか。恐れ入ります」(育成出身の加藤が代走でプロ初出場)「ピンチランナーの時に出てくるのが遅いからやめようかなと思ったけど。まだ1軍の時間制にはついてこられないね。1/3拍子くらいだね。俺たち1/4拍子くらいでやってるから」

◆14日日本ハム戦(高木がプロ165試合目で初黒星。2日前に3回投げた疲れが原因かと問われ)「そこに影響があるという風にもし言うのであれば、戦う選手ではないね。それは1日空けてますからね」

◆15日日本ハム戦(コンディション重視で試合前の打撃練習なしで勝利)「ゲームのための練習という部分で、今日そういう選択肢をとったということですね。練習のための練習ではないというところですね」

◆16日日本ハム戦後の新千歳空港(交流戦最後の本拠地6連戦に向けて)「来週は短期的な目標というのか、サッカーでいうカップ戦や天皇杯。度胸試しができるケースになる。選手をしっかりと鼓舞しながら、見ておきたい」

◆18日オリックス戦(6回2失点と好投した今村に白星が付かず)「私のミスでしょうね。申し訳ないと、彼にも伝えました。自分の中で定義というものがあるんだけれども、その定義に反した選手に期待をかけて出してしまった。鬼になり切れなかった。自分の中で反省しているところですね。それ以上のことはちょっと言えません」

◆20日オリックス戦(好投したオリックス先発のK-鈴木について)「非常に1つ1つの球種も素晴らしいしね。組み立て、緩急というか、クレッシェンド、デクレッシェンド、分かる? そういうものを見せながら投げているのは素晴らしいと思いました」(5回1死で重信が盗塁を仕掛けず、ベンチで公開説教)「2点ビハインドで3球あってスタートを切れないのは、お前さんの特長としてはいけないよ。あそこでスタートを切れる選手にならないといけない」

◆21日ソフトバンク戦(6回2死から3投手で5失点)「あと1アウトを3人で抑えられなかったところが今日のゲームでしょうねえ。ストライクを取ることに一生懸命になっちゃうというのは、ピッチャーとして戦う以前の問題だよね」

◆22日ソフトバンク戦(勝てば優勝の交流戦最終戦に向けて)「今日はどちらかというと甲子園の準決勝。明日は決勝でしょ。そういう心境で戦おうということでしょうね」

◆23日ソフトバンク戦(エース菅野をプロ入り最短で降板させたことについて)「この一戦にかけるという部分から考えるならば、あそこは引きずることの方がはるかにおかしいことだと思うね僕は。先頭バッターにホームラン、フォアボール、フォアボール。リズムもへったくれもあったもんじゃないですね。もちろんエラーというものも絡んではいるけどね。立ち直りを期待したけれどもね、ピッチャーに対してフォアボールと。みんなで積みあげて交流戦の優勝戦という形に持ち込んでいるわけですから」