メネセスからベン・ジョンソン使ったスタノゾロール

オリックスのジョーイ・メネセス(2019年4月28日撮影)

オリックスのジョーイ・メネセス内野手(27)がドーピング規定違反で6月27日から20年6月26日まで1年間の出場停止処分を科せられた。日本野球機構(NPB)のアンチ・ドーピング調査裁定委員会が27日、発表した。同違反で処分されたのは6人目。

メネセスは4月9日ロッテ戦(ZOZOマリン)後にドーピング検査を受け、5月17日に分析機関から世界アンチ・ドーピング機関(WADA)に禁止指定されているスタノゾロールの代謝物が検出されたと報告があった。筋肉増強剤の効果があり、かつては陸上男子短距離のベン・ジョンソンも違反し、金メダルを剥奪された。

同22日にメネセスに面会し、事情説明の機会を設け、意図的な摂取はないと主張された。同29日にB検体の分析を本人の希望で実施し、翌同30日にA検体と同じ物質が検出されたことが報告された。6月12日にメネセスの弁明の機会が設けられた経過も経て、NPBアンチ・ドーピング調査裁定委員会を開き、制裁の内容を決定し、同27日に球団を通して本人に通告された。

NPBの井原事務局長は昨年、違反し、6カ月の出場停止処分となったアマダー(当時楽天)より重い処分に「検出された物質の種類によります」と説明。NPBや各球団もアンチ・ドーピングに対する啓発活動を行う中で、昨年に続く事態に「誠に遺憾でございます。今後、さらに啓発活動について強化していきたいと考えております」と話した。同委員会の委員長を務める斎藤コミッショナーも「誠に残念である」と話しているという。

今季加入した助っ人は29試合に出場し、打率2割6厘、4本塁打、14打点。5月4日のソフトバンク戦で右手を負傷し「右手第2伸筋腱(けん)周囲炎」と診断され同5日に出場選手登録を抹消。大阪市内の球団施設で全体練習には参加せず、リハビリや自主練習を行っていた。