阪神藤川は球宴で恩返しへ 伝説の真っ向勝負を示唆

報道陣の質問に笑顔で答える藤川(撮影・上山淳一)

<マイナビオールスターゲーム2019:監督推薦>◇1日

火の玉ストレートが、球宴に帰ってくる! 「マイナビオールスターゲーム2019」(12日東京ドーム、13日甲子園)の監督推薦27選手が1日、発表され、阪神藤川球児投手(38)が7年ぶり9度目の出場を決めた。平成の球宴では、清原和博やカブレラらパ・リーグの強打者と直球勝負を展開。甲子園開催の今夏は火の玉復活で、令和の新球児伝説を作る。

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藤川は敵将からの球宴推薦にとびきりの笑顔を見せた。「一番のライバル球団である広島カープの緒方監督から認められたということは、光栄に受け止めています」。7年ぶりの夢舞台。言葉は感謝にあふれた。

06年に西武カブレラから全球予告直球で奪った空振り三振など、火の玉ストレートを武器に数々の名勝負を展開し、宴を盛り上げてきた。「あの時は自分の気持ちもすごく強くあったので、向かっていく側だった」。円熟期を迎えた今回は若手の挑戦も受けて立つ。

「もしかしたら『僕から打ちたい』という選手がいるかもしれない。それを肌で感じた時に、自分がどういう風なピッチングをしようと感じるか。あとはファンの歓声とかを見て感じて。それから(投球内容は)考えようかなと思います」

シーズンとは違う勝負ができる球宴舞台。対戦したい打者には、オリックス吉田正と西武森の名前を挙げた。交流戦では四球を与えた2人に対し「戦略で対戦できなかったところがあるので、そういうのを度外視してやっていい環境になる。場面があった時には、思いっきりの勝負をお客さんに楽しんでもらえたら」と、火の玉復活での真っ向勝負を示唆した。

球宴には05年から12年まで8年連続出場。その後はメジャー挑戦や独立リーグを経て、阪神に戻ってきた。今季はセットアッパーとして28試合に登板し、4勝16ホールド、防御率1・26と抜群の安定感を誇る。これまで支えてくれた家族、ファンへ、恩返しの舞台とする。独立リーグ時も変わらず応援を続けてくれた息子には「結果として示していかないといけないので」と男の約束だ。第2戦の舞台は本拠地甲子園。阪神ファン、そして全国の野球ファンに「本物を見てもらいたい」と意気込んだ。

借金1のチームは2日のDeNA戦から前半のラスト9連戦を戦う。3位で並ぶDeNAとの対決を手始めに2位広島、首位巨人と上位戦が続き、1つの正念場を迎えた。もちろん背番号22は連投辞さずで、逆襲&Aクラス死守に貢献する覚悟。もうひと暴れして球宴に向かう。【奥田隼人】

〈藤川のオールスター〉

◆初登板は直球勝負(05年第1戦)22球中20球が真っすぐ。川崎とフランコから三振を奪ったが、宮地の盗塁死でチェンジ。3者三振ならず「惜しかった~」。

◆プロ初セーブ(05年第2戦)9回の抑えを務め、宮地、小笠原、石井義を3人斬り。プロ入り初セーブを記録し「あんなところで投げるとは」と苦笑い。

◆予告ストレート(06年第1戦)カブレラに直球の握りを見せ、予告通り真っすぐ勝負で空振り三振。場内を沸かせたパフォーマンスも決まり「シーズンと変わらないボールが行っていたでしょ」と笑顔だった。

◆清原に真っ向勝負(06年第2戦)清原に全球直球勝負を挑み空振り三振。「清原さんに育ててもらった。ホームランを打たれてもよかった」と感謝。一方の清原は「球児のボールは火の玉やった」と脱帽した。

◆無安打ストップ(09年第2戦)球宴初登板から21人目の打者、先頭のサブローに被弾。無被安打記録が止まった。「それはどっちでもいいけど」と淡々。

◆横手投げ(12年第2戦)9回最後の打者角中に対し、突然サイドから投げて右飛に抑えた。「最後は疲れたので、横で投げました」とお祭りを楽しんだ。