西武中村が積み重ねた399本「風が顔当たるの嫌」

7回表西武2死、中村剛也は左越えにソロ本塁打を放つ(撮影・梅根麻紀)

<ソフトバンク3-7西武>◇10日◇ヤフオクドーム

風は吹いていなかった。無風のヤフオクドームで、西武中村剛也内野手(35)が通算400号に王手をかけた。

たたみかけたのは7回。4番山川の2ランで3点差に突き放した直後の打席だった。2球目のカーブをとらえて左翼ポール直撃の14号ソロ。「うまくバットを残すことができた。いいバッティング。ポールに当たってくれてよかった。変に力むこともなくタイミングを合わせられた」と手応えを口にした。

打席ではドッシリとかまえ、投手と対峙(たいじ)する。その中で、風は不要と言い切る。「風が邪魔。顔に当たるのが特に嫌なんです。打球が伸びるとかどうこうじゃなくて、打席で風を感じたくない」。399本のアーチを積み重ね、歴代20人目の400号にあと1本と迫った中村にも、邪魔な存在だった。実際に今季メットライフドームを除く、完全ドーム球場では打率3割4分8厘、7本塁打。本塁打の半分が敵地での屋根付き球場だった。

松田遼からの1発で、231人目の投手から本塁打。一足早く新記録を更新した。後半戦に持ち越しとなった大台は「次こそ早く打ちたい。マジで早く打つ。オールスターブレイクは休んで、リフレッシュします!」。チームは貯金1で3位に浮上し、ターン。逆転Vへの追い風となる400本を見据えながら、気持ちよく後半戦を迎える。【栗田成芳】