阪神近本宣言通り初球盗塁 球宴中も山田哲人に学ぶ

オールスター第1戦 全セ対全パ 6回裏全セ1死一塁、盗塁を決める阪神近本(撮影・横山健太)

<マイナビオールスター2019:全セ3-6全パ>◇第1戦◇12日◇東京ドーム

球宴にルーキーで唯一選出された阪神近本光司外野手(24)も晴れの舞台で輝いた。6回1死から安打を放った巨人丸の代走で途中出場すると、宣言通りの「初球スチール」を決めた。4番手の楽天松井の初球にスタートを切り、西武森の送球をかいくぐって二盗成功。出場が決定した際に初球から盗塁を仕掛けることを宣言した公約を実現してみせた。13日に本拠甲子園で開催される第2戦では初安打も刻んでみせる。

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自分に求められた役割を、近本は理解している。「内野ゴロでもしっかり走って内野安打にすること。盗塁もそう。いろんなプレーで足の速さは生かせると思うんです」。理想のプレーへ、学びは欠かせない。夢の祭典でも、ライバルを徹底解剖だ。盗塁王を争うヤクルト山田哲のスチールについて「早いカウントからしっかりスタートが切れる。徹底した準備ができている」と分析。トリプルスリー男とベンチで会話を交わし「(盗塁の)心構えですね。ランナーに出てリードしているときの考え方とか。常に行く意識で、けん制がきたら戻れる反応ができるように」と好感触だ。

同じ素質は近本にも備わっている。隣にいたチームメートの梅野は今季一番のプレーを「近本の盗塁」と話す。「自分も今シーズンから盗塁をトライし始めた(9盗塁)。けん制が来るとスタート切りづらい。でも、近本は早いカウントから走れる。捕手なのですごいと余計に感じる。やられると嫌だなということをするタイプ」。歴戦の強者が集うオールスターでも存在感は薄れない。【阪神担当=真柴健】