再昇格予定の広島小園、後半初戦で1番先発の可能性

全イ対全ウ 1回表全ウ無死、先頭の小園は先制の右越えソロ本塁打を放つ。全イ投手は吉田輝(19年7月11日撮影・垰建太)

広島ドラフト1位の小園海斗内野手(19)が後半初戦の15日DeNA戦(横浜)で再昇格し、1番を任される可能性が出てきた。

今月1日に2度目の登録抹消となったが、その後2軍で全試合で安打を放ち、フレッシュ球宴でも日本ハム吉田輝から先頭打者弾を放つなど好調を維持し、実力で1軍復帰を勝ち取った。打線は1番を固定できておらず、19歳の新星が11連敗中のチームに新風を吹き込む。

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後半戦を前に1軍再合流した小園はキリッとした表情で、横浜へ向かった。2日間1軍練習に参加し、15日の後半初戦のDeNA戦から1軍昇格する見込み。6月末の横浜遠征は同行しながらも出番なし。ここまで1軍出場4試合はすべて本拠地マツダスタジアム。敵地デビューで、1番スタメンの可能性も十分にある。

この日不在の緒方監督は前半戦総括で「後半戦は(スタメンを)ある程度固定したい」と考えを明かしていたが、東出打撃コーチは「現状は難しい」と明かした。固定は2番菊池、4番鈴木に、復調気配の5番松山ぐらいか。そこに順応力のある西川や捕手ながら打力のある会沢を中心に日替わりで打線を組んでいく考えだ。

また、東出打撃コーチは今季8人が務める1番打者は「流動的になる」と頭を悩ませる。今季広島の1番は、8番までの打順別打率で最も低い1割9分4厘。打線の勢いが付かない一因となっている。今季すでに3試合で1番を務めた小園も候補の1人だ。

今月1日の降格後は1軍投手の失投を確実に捉えるため、無駄を省いてシンプルな打撃を意識した。2軍では全試合で安打を放ち、7月は月間打率3割6分をマーク。高ヘッドコーチも「2軍からいい報告があった」と成長を認める。本人も「高校でも、ジャパンでもずっと1番。先頭で出られたら自分も乗っていける。チームの流れを変えたい気持ちもある」と意欲を示した。

期待は膨らむが、まだ高卒1年目。小園も「まだまだ野球を全然知っていないと感じた。やることがいっぱいある。チャンスをもらったので、生かしていけるように頑張りたい」と背筋を伸ばす。チームは11連敗中だが、怖いもの知らずの19歳は若さを前面にぶつかっていけばいい。恐れるものは何もない。【前原淳】