DeNA宮崎サヨナラ打「夏は苦手」に秘策の氷風呂

9回裏DeNA1死満塁、宮崎(右から2人目)はサヨナラ安打を放ち選手たちに水を掛けられ祝福される(撮影・鈴木正人)

<DeNA4-3ヤクルト>◇7月31日◇横浜

セ界の「頂」へ突き進む。同点で迎えた9回1死満塁。DeNA宮崎敏郎内野手(30)が、サヨナラ適時打を放った。首位巨人が敗れたため、週末の直接対決を前にゲーム差は「3・5」に再接近。前夜から始まったスターナイトの一環として、宇宙をイメージした特別ユニホームを身にまとった選手たちが、ハマの宇宙空間を席巻した。

宮崎はナインから歓喜のシャワーを浴びせられた。スポーツドリンク、氷水。冷たい。それでも熱は冷めない。「とにかく最高の気持ちです」。試合後、シャワーを浴びても、いっこうに汗は引かなかった。

試合終盤、額に汗がにじんだ。3-3の9回1死満塁のチャンスだった。初球は143キロでストライク。「とにかくストライクが来たら振ろうと思っていたけど、最後まで悩みました」。2球目から3球続けてボール。独特な雰囲気に包まれた。ヤクルト4番手近藤の5球目は、真ん中への144キロ。好球を逃さず、強烈なゴロを放った。「何とか抜けてくれと」。必死な思いが通じた。打球は前進守備のヤクルト三遊間を抜けていった。

「夏は苦手です」と話す男には、秘策がある。一昨年くらいから、氷風呂の存在を知り、ルーティンに取り入れた。球場だけでなく、自宅でも氷を買い、氷風呂を再現した。「体の熱を冷ます効果があるし、気持ちいいですよ」。1桁台の温度となった湯船で、体を締める。お湯との交代浴も欠かさず、酸素カプセルにも入った。日頃から取り組んだ夏を戦う準備が、実を結んだ。

一時は打率1割台と低迷した17年の首位打者の活躍で、5カード連続の勝ち越しを決めた。貯金も「6」とし、後半戦以降は11勝3敗1分けと勢いは止まらない。最高気温33・8度だった横浜。この日は宇宙をイメージした特別仕様のユニホームを着用し、試合後にはドローンによる宇宙空間ショーも行った。暑さを吹き飛ばす快勝とともにファンを喜ばせた。

首位巨人に3・5ゲーム差に迫り、2日から始まる首位攻防戦で「頂」も見えてきた。ラミレス監督は「チーム一体となった勝利。よく言っていることだが、どう始めるかではなく、どう終わるか」。最大11連敗を喫したチームが、セ界の中心に戻ってくる。【栗田尚樹】