DeNA今永10勝目 中9日で走量など肉体強化

DeNA対巨人 先発し力投するDeNA今永(撮影・鈴木正人)

<DeNA3-2巨人>◇4日◇横浜

気持ちで強力打線をねじ伏せた。2位DeNAが巨人との首位攻防戦に3連勝し、0・5ゲーム差に迫った。

中9日で先発マウンドに上がった今永昇太投手(25)が気合の5回1失点。5回2死満塁のピンチで巨人岡本を空振り三振に仕留めると、大きくほえた。若きエースに引っ張られるように、リリーフ陣も気迫の投球を披露。昨年4月以来となる巨人戦カード3連勝を決めた。6日にも首位の座をつかみ取る。

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今永が、ほえた。1点リードの5回2死満塁。岡本を3球で追い込むと、低めに投じたチェンジアップで空振り三振を奪った。ベンチに戻る直前でも、グラブをたたいた。「気持ちの中では、まずは5回までと、初回から全力で飛ばしていきました」との言葉通り、5回94球。エースとしては珍しく球数は多かったが、首位巨人相手の天王山。フルスロットルで、腕を振った結果だった。

今季初の中9日でのマウンド。中6日なら、前カードのヤクルト戦だった。「日曜日に任された意味を考えて、絶対に勝ち切らないとと思っていた」と休養ではなく、強化して戻ってきた。「もう夏場で、練習量が落ちるところですが、しっかり走る量も増やせた。ウエートも普段は1回ですが、2回やれた。調子自体は良かった」。2回に1点こそ許したが、さらなるピンチはつくらなかった。2年ぶりの2桁となる10勝目を挙げるとともに、防御率でも巨人山口を抜き、リーグトップに立った。

今季未勝利の相手から1年ぶりの白星。本拠地ではプロ4年目にして初の巨人戦勝利となった。それだけ、大きな壁だった。福岡出身の25歳。「巨人と言えば、とにかく強くて、常に強くなくてはいけない。そんなイメージ。仁志さん、清水さんの時代とかよく覚えていますね」。幼少期、ソフトバンク戦がメイン放送の中で、時折テレビに映る巨人軍の姿に感銘さえ受けていた。その壁を乗り越えたエースだが「イニングを延ばせなかったことは悔しい」と責任感を募らせた。

後を継いだリリーバーが、気迫の投球でエースの悔しさを消した。2番手の武藤は、顔色一つ変えずに1イニングを無失点。エスコバーはリリーフカーに乗らず、走ってマウンドに上がった。国吉は3者連続三振を奪い、今永同様にほえた。最後は守護神の山崎が締め、今季25セーブ目。ラミレス監督も「リリーバーたちが、完全に流れを断ちきった。今日の勝利は彼らの存在が大きい」と最敬礼だった。

次週にも首位のチャンスが巡ってきた。ラミレス監督は「素直にうれしいが、まだ2位ということに変わらない。1つ、1つ勝っていきたい」と謙遜したが、巨人相手にカード3連勝した強さは本物だ。【栗田尚樹】