ロッテ3位小島「勝ったよー」観戦の両親に叫んだ

日本ハム対ロッテ プロ初勝利のロッテ小島は「コジマじゃないよ!オジマだよっ!!」と書かれたTシャツ姿で記念球とキウイフルーツを手にポーズを決める(撮影・滝沢徹郎)

<日本ハム4-9ロッテ>◇14日◇東京ドーム

ロッテのドラフト3位小島和哉投手(23)が、プロ5度目の先発となった日本ハム戦で初勝利を挙げた。打者から球の出どころが見えづらいフォームからキレのある直球、変化球をコーナーに決め、6回4安打1失点、6三振4四球と好投。昨夏の甲子園準優勝投手の吉田輝を相手に、浦和学院2年時の13年センバツで全国制覇を達成した左腕が、貫禄を見せつけた。

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お立ち台で小島が叫んだ。「勝ったよー!」。観戦に訪れていた両親へ、心からの感謝の叫びだった。

「ウイニングボール? ここまで全試合を見に来てくれていた両親に渡したいです。近いところ(東京ドーム)で勝てて良かった」。ホッとした表情で話した。

立ち上がりをしのいで波に乗った。初回、2四球と大田の安打で2死満塁のピンチ。ここで6番王柏融に対し、持ち前の制球力で外角ギリギリを突いた。カウント2-1から、133キロカットボールでバットの芯を外し遊飛に打ち取った。

テークバックが体の真後ろに来るため、打者から球の出どころが見にくい。だから140キロ前後の直球が数字以上に速く見える。「スピードはないんですけど、自分の中では真っすぐがメイン。チェンジアップやスライダーも、その真っすぐを生かすためのもの」。2回以降、6回に失点するまで危なげない投球。特に西川、近藤、清宮、王柏融と並んだ左打者には1本も安打を許さなかった。

この日も観戦に訪れた父浩行さんは野球未経験者。だが小島が小学2年に野球を始めて以来、ほとんどの試合に応援に駆けつけ、アドバイスを送る。「父も母も野球をやったことはないけど『この間の試合とここが違うね』と感じたことを言ってくれる。そういうぼそっとした一言で気づくこともあるんです」。だからこそ、お立ち台から真っ先に感謝の言葉を伝えた。

「ここ最近投げ出したぐらいなので。チームを勝たせるとまで言えるピッチャーじゃないですけど、しっかり長いイニングを投げられるようになりたい」。これからも両親の目の前でイキの良い投球を披露する。【千葉修宏】

◆小島和哉(おじま・かずや)1996年(平8)7月7日生まれ。埼玉県出身。浦和学院では甲子園に3度出場し、13年センバツではチームを初優勝に導いた。早大では2年秋に最優秀防御率に輝くなど、リーグ戦通算22勝。18年は大学日本代表にも選出され、同年ドラフト3位でロッテ入団。今年4月4日西武戦でプロ初登板。今季推定年俸1000万円。177センチ、81キロ。左投げ左打ち。