村上が高卒2年目セ初30号、10代初の月間10発

広島対ヤクルト 2回表ヤクルト無死、村上は中越えに先制のソロ本塁打を放つ(撮影・今浪浩三)

<広島4-8ヤクルト>◇22日◇マツダスタジアム

“燕のゴジラ”は、雨を切り裂いて打球を運んだ。ヤクルト村上宗隆内野手(19)が、先制の30号ソロを放った。

強い雨が降り始めた2回先頭、広島先発山口の外角低め直球をバックスクリーン左へ。

高卒2年目以内での30号はセ・リーグ初。10代の月間10発も史上初。ダブルでの快挙にも「しっかり自分のスイングができたので、届くかなと思った」と冷静だった。

軸足の左足から、右足へ。重心移動がしっかり行われ、パワーが伝わった打球はバックスクリーン方向へ一直線に伸びた。練習でのティー打撃から、重心移動を入念に確認する。

月間1発に終わった7月、癖の後ろ重心が出ていた。ホームランバッターに多い重心位置だが、村上は本塁打を打ちたい気持ちが空回りしていた。

オーバーに動きを再現し、手本を見せることもあった石井琢打撃コーチは「しっかり右足に体重を乗せて前に壁を作って、ぶつかってからもう1度左足に重心を乗せることが大事」と指摘。

ティー打撃の球を上げ続けた。ついに大台に到達した村上へ「今季当初、こんなことは考えられなかった。

まだまだ伸びる要素も課題もあるが、結果は現実としてよかった。自信にもなる」とエールを送った。

打線を背負う若武者は「打てれば、打てるだけいい。まだシーズンは終わっていないので、もっと打てるように頑張る」。

ホームランバッターへ、順調に階段を上がる。【保坂恭子】

▽ヤクルト小川監督(村上に)「すごい。今日の打ち方は素晴らしかった。ボールの待ち方、打ち方は学習していることが出ている」