広島大瀬良粘投も7敗「魔の6回」突如崩れ4失点

6回裏中日2死二塁、降板する大瀬良(左)とベンチで厳しい表情を見せる緒方監督(右から2人目)(撮影・前岡正明)

<中日4-1広島>◇23日◇ナゴヤドーム

広島大瀬良大地投手(28)が「魔の6回」に泣いた。

2死から福田にバックスクリーンへ同点ソロを浴び、さらに3連続二塁打を許して降板した。6回途中4失点で7敗目を喫し、自身の連勝は4でストップ。チームは2連敗で、DeNAと入れ替わり3位に後退した。

首位巨人との6・5ゲーム差は変わらないが、残り25戦となり、じわじわと追い込まれてきた。

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6回2死から突如、崩れた。無失点投球を続けてきた大瀬良が、福田にバックスクリーンへ同点ソロを浴びた。真ん中に入ったカットボール。さらにビシエド、高橋、阿部に3連続二塁打を許した。スライダーも直球もフォークも、真ん中に集まった。球数は102球と余裕があったが、ベンチからタオルを投げられた。「ちょっと浮いちゃいました。甘いボールを仕留められた。もったいないイニング」と悔しがった。

粘り強い投球で、中日打線を抑えていた。2回先頭から連打でピンチを招いたが、後続を落ち着いて料理。2死一、三塁で加藤を迎えると、カウント2-1からセットポジションからの始動をギリギリまで送らせてじらし、高めのカットボールで空振りを奪った。最後は同じタイミングで同じコースに真っすぐを投げ、空振り三振に仕留めた。打者の錯覚を利用する技ありの投球。4連勝中の投球術を発揮していた。

勝たねばならない一戦だった。得点源だったバティスタがドーピング陽性反応で離脱した上、22日に田中広がコンディション不良で抹消となった。13年ドラフトの同期入団。グラウンドだけでなく、ロッカールームでも声をかけてくれる頼もしい先輩だった。「痛いし、さみしい」と話していた。チームの危機で踏ん張りたかった。

緒方監督は「いいピッチングをしていたけどね。両サイドを使ってカットボールも切れていた。抜群だった」とかばった。さらに「1-0できつい展開だった。援護できなかった」と話した。それでも、エースを立て必勝態勢だっただけに痛い連敗だ。首位巨人がDeNAに敗れ、6・5ゲーム差は変わらないが、そのDeNAに逆転され3位に後退した。まずは連敗を止めたい。【村野森】

広島佐々岡投手コーチ(大瀬良について)「もったいなかった。粘っていたし、もう一踏ん張りしてほしかった」