丸を上回る「中堅手」広島西川は10割に迫るOPS

守備位置別の広島西川打撃成績

<帰ってきたセイバーメトリクス>

広島西川龍馬内野手(24)が好調だ。春先こそ調子が上がらなかったが、現在リーグ9位の打率3割2厘。特に1番中堅に固定された後半戦からは上り調子で、巨人へ移籍した丸の穴を埋める活躍を見せている。

打者の攻撃力を表すOPSを見ると、西川は8割。規定打席到達者の中ではリーグ17位と、いまひとつの成績に映るかもしれない。だが、中堅手で出場した時のOPSは、9割9分2厘の好成績。中堅手として200打席以上に立った選手では、巨人丸、西武秋山を上回る最も高い数字だ。

チームは今季、中堅手が課題だった。2年連続MVPの丸が移籍。前半戦は主に野間を起用したが、中堅でのOPSはリーグ平均以下とやはり苦しんだ。しかし中堅に起用された西川が一気に数字を上げたことで、チームの中堅手のOPSもリーグ平均を上回るまでに改善。懸念だった「丸の穴」が埋まっただけでなく、今では中堅が広島打線の強みに変わった。

後半戦の広島は22勝14敗で、勝率はリーグトップの6割1分1厘。好不調の波が大きかった前半戦にはなかった1番西川は、間違いなくチームを上昇に導いている。【多田周平】