日本ハム宮西50試合登板 失策の後輩に叱咤激励

ロッテ対日本ハム 8回に登板の宮西(撮影・黒川智章)

<ロッテ4-2日本ハム>◇4日◇ZOZOマリン

日本ハム宮西尚生投手(34)が、ロッテ22回戦(ZOZOマリン)で、プロ入りした08年から12年連続となる50試合登板を達成した。節目の登板は1点リードの8回に訪れたが、2失策が絡んで痛恨の1失点(自責0)。チームは9回にサヨナラ負けし、今季2度目の8連敗。同一シーズンに8連敗以上を2度記録するのは、球団では27年ぶりの屈辱。鉄腕左腕のメモリアルデーを白星で飾れなかった。

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鉄腕・宮西の大記録も、白星では飾れなかった。自身は最低限のノルマとする50試合登板。特別なマウンドは、歯がゆいものとなった。試合後、ミスをした後輩に向けて言葉を発した。

宮西 エラーは付きものやし、仕方ないけど、やっぱり消極的になってはね。こういう状況だからこそ、アグレッシブにいかないといけない。投手もそうやし。チーム全体としても、こういうところを打破できるアグレッシブなプレーが必要じゃないかなと思う。

2-1で迎えた8回のマウンドに上がった。いつも、しびれる場面で投げて、結果を積み重ねてきた。この日も淡々と、アウトを積み重ねた…はずだった。

暗転したのは1死無走者から。岡の三ゴロを横尾がファンブルして走者を背負った。続く鈴木に右前打を許して1死一、三塁とされたが、鉄腕は冷静だった。マーティンを、宝刀スライダーで遊撃正面のゴロに打ち取った直後、平沼からのトスを今度は渡辺が落球。この回、2つ目の失策で同点とされた。後続は断ったが、試合の流れを失ってサヨナラ負け。若い2人の野手は肩を落とした。

宮西 まだ(2人とは)しゃべっていないけど、別にエラーをしたくてする野手なんていない。そういうことは、しゃあない。もう、練習するしかない。ただ、気持ちが消極的でミスするよりも、思い切ってミスする方が全然違う。もっと、思い切ってやってのミスなら、自分のためにも、チームのためにもなる。このミスを、いかに生かしていけるかだと思う。

修羅場をくぐり抜け、失敗も経験してきたからこその叱咤(しった)激励。今季2度目の8連敗は、球団では27年ぶりの屈辱となった。栗山監督は「しっかり自分たちの野球をしないと。ミヤ(宮西)に本当に悪いことをした」と謝った。宮西は昨オフ、2度目の左肘手術を乗り越えての記録継続に「(首脳陣が)使い方も考慮してくれた」と感謝。だが、喜びは、そこそこ。自身の節目に、若いチームが、この苦境を成長の糧とすることを願った。【木下大輔】

▽日本ハム木田投手チーフコーチ(12年連続50試合登板達成の宮西に)「今年もチームで一番大変なところを投げての50試合。本当に偉大な記録だと思います」