日本ハム中田が脳振とう疑いで交代、守備で頭部強打

日本ハム対ロッテ 9回表ロッテ無死、レアードの打球を追い渡辺と交錯し負傷した中田(手前中央)はベンチへ引き揚げる(撮影・滝沢徹郎)

<日本ハム2-10ロッテ>◇10日◇東京ドーム

シーズン佳境で主砲をアクシデントが襲った。日本ハム中田翔内野手(30)が10日、ロッテ23回戦(東京ドーム)の9回の守備で頭部を強打し、脳振とうの疑いで途中交代した。

ベンチ裏でNPBが定めた簡易チェックを受けた後、トレーナーとともに都内の病院へ向かった。しっかりとした足取りだったが、大事を取って検査を受けた。栗山監督は「心配だね」。11日楽天戦(同)の出場については「様子を見てから」と説明した。

不測の事態が起きたのは、9回先頭のレアードが放った打球を追いかけた時だ。一塁後方、右翼線上に落下してきた飛球を、一塁手の中田と二塁手の渡辺がともに背走。両者とも懸命のプレーの中で交錯し転倒した。背中から倒れた中田は、後頭部をグラウンドに強く打ち付けた。しばらく起き上がることが出来ず、担架も用意されたが、なんとか自力でベンチへ引き揚げて交代となった。

捕球できなかった飛球はフェアゾーンに落ちた。不運な安打をきっかけにダメ押しの2点を奪われた。終わってみれば2桁失点を喫し、打線も5安打2得点のみ。CS争いのライバルとなる3位ロッテに完敗で、ゲーム差は4・5に広がった。残りは13試合。キャプテンの状態も楽観視は出来ず、チーム状況も厳しさは増した。「そんなもん、あきらめるか。こっちは、最後の最後まであきらめない。全部、勝つ気でいるけど、1つか2つは負けられる。明日はしっかりやります」。栗山監督は語気を強めた。下を向いている時間はない。【木下大輔】