駒大・上野が初勝利、右肩痛苦しんだ元U18エース

駒大対国学院大 9回裏国学院大2死一、三塁、最後の打者を三振に仕留めガッツポーズする上野(撮影・大野祥一)

<東都大学野球:駒大9-4国学院大>◇第1週第2日◇11日◇神宮

駒大・上野翔太郎投手(4年=中京大中京)がリーグ戦初勝利を挙げた。

8-4の6回から、国学院大打線を4回3安打無失点。高3夏の甲子園で活躍し、U18日本代表のエースも務めたが、進学後に右肩を痛めた。大学ラストシーズンでついに白星をつかんだ。チームは1勝1敗のタイ。

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勝利投手だと告げられても、上野はきょとんとしていた。勝ちがついたことを知らなかった。ウイニングボールもない。「個人的なことは考えてません。最後のシーズン。どれだけチームに貢献できるかです」と飾らずに言った。代わってすぐの6回、2死満塁を招いたが「点差もあった」と落ち着いて後続を断った。

4年前の夏、甲子園で輝き、高校日本代表も引っ張った。ところが、進学直後に右肩を痛めた。「周りの期待が励みにもなったけど、中には厳しいことを言う人もいました。それも原動力。やるしかない」と逆境をバネにした。9回1死一、三塁では、大倉孝一監督(56)からマウンドで「お前の責任。締めなさい」とハッパをかけられ、連続三振で締めた。「信頼あっての起用。任されたところでしっかりやりたい」。自分の勝利より、起用に応えられたことがうれしかった。