坂本勇人交代に原監督「正常ではない」も軽症を強調

巨人対阪神 6回裏巨人2死満塁、小林(手前右)が三振に倒れ厳しい表情の原監督(撮影・垰建太)

<巨人1-2阪神>◇16日◇東京ドーム

巨人が阪神に1点差で敗れたが、2位DeNAも敗れ、優勝へのマジック4に減らした。初めて中4日で先発した桜井が6回2失点と踏ん張るも、打線の援護は1点止まりだった。試合前、15日に4回4失点で降板した菅野智之投手(29)が腰痛で登録抹消と発表。さらに、坂本勇人内野手(30)が足に張りを訴えて途中交代。ペナントレースの大詰めを迎え、不安が見え隠れした。

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同点の6回、守備前にスタンドがざわついた。原監督が球審に交代を告げた。場内アナウンスは坂本勇。15日に36号ソロを放っている最強2番打者がベンチに退いた。原監督は「正常ではないというところでしょう。でも、そんなに大したことはない」と軽症を強調。吉村打撃総合コーチは「足に張りがあった」と説明し、坂本勇本人も「水曜日から出られるように最善を尽くします」と18日中日戦の出場を見据えた。

優勝へのマジックを着実に減らす一方で、この先の戦いへの不安もちらつく。試合前にエース菅野が腰痛のため、再び登録抹消された。10日間の抹消明けだった15日阪神戦で、自ら申し出て4回4失点で降板。腰痛での抹消は今季3度目で、宮本投手総合コーチは「ペナント中は厳しいかなと。CS(クライマックスシリーズ)になると思います」と治療、回復優先のプランを強いられた。

深刻な先発の駒不足という窮地を救うべく、桜井が初めて中4日で登板。6回2失点と粘りの投球で田口、沢村、中川へつないだ。1点を勝ち越された直後6回1死満塁は小林、大城が凡退。原監督は「小林も大城も2ストライク目のストライクを打ちにいっていないところがね。本人たちも悔いが残るだろうし、我々が見ていても『なぜ』というものは感じますね」と勝負どころで効果的な一打が出なかった。

捕手炭谷を残し、ベンチ入り野手全員を使い切り、一丸で挑んだ。1点差での敗戦も優勝へは1歩前進。原監督は「みんなでやっている」とスクラムを再確認した。目前に迫る歓喜へ、一足跳びでは届かない。【為田聡史】

▽巨人桜井(6回4安打2失点で5敗目)「中4日の割には球もいってたし、全然いけるかなと思った。(6回の押し出し四球に)慎重にというより攻めた結果がああいう形になった。詰まらせようという気持ちがあったので力が入った」