広島V4消滅、屈辱7点差逆転負け 今永攻略が救い

DeNA対広島 延長11回サヨナラ負けで4連覇の可能性が消滅し、足取り重く引き揚げる広島ナイン(撮影・浅見桂子)

<DeNA11-8広島>◇19日◇横浜

広島のリーグ4連覇が消滅した。DeNA戦でサヨナラ負け。最大7点リードを逆転されての敗戦で、首位巨人を逆転することが不可能となった。2位DeNAにも2・5ゲーム差をつけられ、2位でのクライマックスシリーズ(CS)進出も極めて厳しくなった。救いは、CSで対戦する可能性の高い今永昇太投手(26)を攻略したこと。残り3戦を全勝し、ポストシーズンに備えるしかない。

   ◇   ◇   ◇

延長11回、今村がソトにサヨナラ3ランを浴びた。今季初の7点差逆転負けという衝撃の内容で、広島の4連覇が消滅した。緒方監督は「こういう展開になって悔しい。(V逸の)結果は受け止めている。その上で、残り3試合、最後まで自分たちの野球をしていく」と言葉を絞りだした。

ベスト打線を模索し続けた1年だった。昨年のチームから丸がFAで抜け、田中広と松山が不調。試行錯誤の末、ようやく形が決まったのは5月になってから。1番野間、2番菊池涼、3番バティスタ、4番鈴木、5番西川の並びで、20勝4敗1分けの月間球団記録を作った。だが、長く続かない。大型連敗、大型連勝を繰り返し、さらなる打線改造を余儀なくされた。

後半戦から1番西川、5番松山の新打順が機能しだしたが、26本塁打を放っていたバティスタが8月17日にドーピング陽性で離脱。4番鈴木が3番に回り、松山が復調、小園も下位打線のキーマンとなったが、そこから12勝16敗。長野も2軍から戻ってきたが、ラストスパートに失敗した。チーム打率、本塁打、得点とも昨年から悪化した。

投手陣はチーム防御率を昨年の4・12から大幅に良化させたが、得点力低下をカバーし切れなかった。アドゥワ、九里らが先発、救援の2役をこなし、山口、遠藤、菊池保ら新戦力も機能したが、抑えの中崎、フランスアが不安定。勝利の方程式が固まらず、逆転される試合が目立った。

それでも、立ち止まっている時間はない。2位DeNAに2・5差をつけられ、逆転は極めて難しくなったが、残り3戦を全勝して望みをつなぐしかない。「1戦1戦、戦うだけ」。その先の下克上日本一に向け、緒方カープは挑戦者になる。【村野森】