打ち勝った西武「連続防御率4点台で連覇」は史上初

ロッテ対西武 パ・リーグ優勝を決め、胴上げされる西武の辻監督(撮影・加藤諒)

<ロッテ4-12西武>◇24日◇ZOZOマリン

西武の誇る山賊打線が12安打12得点で楽天投手陣を粉砕し、2年連続23度目のパ・リーグ制覇を果たした。

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浅村が抜けても強力打線は健在だった。昨年の得点は史上3位の792点を記録したが、今年も両リーグ最多の755点。2年以上続けて700点以上は49~51年巨人、49、50年阪神、03、04年ダイエー、17、18年広島に次いで5度目だ。7点以上挙げたのが47試合あり、その試合は39勝7敗1分け。今年も打ち勝つゲームが多かった。

リーグ最多の127打点、殊勲安打(先制、同点、勝ち越し、逆転)28本を記録した浅村の穴は森、中村、外崎、木村で埋めた。昨年は右翼での出場が多かった外崎が二塁へ回り、右翼には木村が定着。この4人合わせて昨年より123打点、殊勲安打を36本増やして浅村の数字をカバーした。特に、7月10日以降は森と中村を中心に打ちまくり、平均得点を開幕~7月9日の5・1点から5・6点へ上げ、ソフトバンクとの8・5ゲーム差を逆転した。

100打点以上は昨年の2人から中村、山川、森の3人に増え、この3人がパ・リーグ打点ランクの1~3位。同一球団の100打点トリオは5度目で、過去にリーグの打点上位3傑独占は79年阪急しかない。自身最多の90打点を挙げた外崎を加え史上4度目の90打点カルテットとなり、90得点以上が5人は史上2度目。得点ランクも西武勢が上位を独占している。現在、パ・リーグの部門1位は打率が森、本塁打が山川、打点が中村、安打が秋山、盗塁が金子侑。同一チームでこの5冠独占は過去8度あるが、これまでは2人で5冠が2度、3人で5冠が6度。今回のように「5人で5冠」ならば初の快挙だ。

昨年は最多失点、最低防御率、最多失策で初めて優勝したが、今年もこの3部門はリーグ最下位。最多失点のVは92年ヤクルト、01年近鉄、18年西武に次いで4度目で、最低防御率のVは01年近鉄、18年西武に次いで3度目。2年連続防御率4点台で連覇は初めてとなり、2年連続最多失点、2年連続最低防御率の連覇も初めてだ。昨年まで優勝チームの防御率順位は1位85度、2位36度、3位15度、4位10度、5位5度、6位2度。3位以内が89%を占める中、2年連続で平均得点が5点超えの西武には、防御率順位は関係なかった。【伊藤友一】