阪神横田が引退試合でドラマばり有終レーザービーム

引退セレモニーで1軍2軍両ナインから胴上げされる横田慎太郎(撮影・上田博志)

<ウエスタン・リーグ:阪神4-2ソフトバンク>◇26日◇鳴尾浜

今季限りでの現役引退を表明した阪神横田慎太郎外野手(24)が引退試合で1096日ぶりに公式戦出場を果たし、ドラマのようなレーザービームを披露した。

17年に判明した脳腫瘍の後遺症による視力への影響で、6年の現役生活を終える決断を下した。公式戦出場は16年9月25日同リーグ、ソフトバンク戦以来。

横田は8回2死二塁の守備から、中堅で途中出場。場内にアナウンスされると場内は「横田~!」の大歓声に包まれた。背番号「124」で守備位置に就き、5番市川の中越え適時二塁打をそつなく処理した。2死二塁で続く6番塚田の当たりは中堅前に飛んだ。横田は素早く打球を捕球すると、本塁へノーバウンドのレーザービームで二走の生還を阻止。ドラマのようなビッグプレーにベンチ、スタンド、ブルペンまでが総立ちでヒーローを祝福した。

前日25日には、平田2軍監督が守備での出場を示唆。横田とのやりとりを「本人は気を使って『ライトでいいです』と言っていたけど『本当に守りたいのは(本職)センターじゃないのか?』って言ったら、涙ながらに『お任せします』と。終盤にセンター(での出場)になると思う」と、明かしていた。

ラストゲームは晴天に恵まれた。横田の最後の勇姿を目に焼き付けようと、鳴尾浜には午前8時30分の開門前から約100人のファンが列をつくった。スタンドには横田が18年の育成契約までつけていた背番号「24」のユニホームやタオルが掲げられた。試合前にはバックネット裏席に入りきらないファンのため、右翼の選手通路が開放。最後の横田フィーバーに異例の処置がとられた。

早朝から多くのファンが見守った試合前練習では、横田の登場曲「栄光の架橋」(ゆず)が流れてスタート。フリー打撃時にも、横田の打席に合わせるように同曲が流された。球団施設内にはソフトバンク本多内野守備走塁コーチから届けられたヒマワリの花が飾られた。

試合後には横田の現役引退セレモニーが行われる。