楽天がイースタン初優勝 三木監督1年目で胴上げ

イースタン初優勝を決め、胴上げされる楽天三木監督(撮影・野上伸悟)

<イースタン・リーグ>◇26日◇ウェルファムフーズ森林どりスタジアム泉

楽天が8-2でDeNAを下し、イースタン・リーグ初優勝を果たした。マジック2で迎えた試合は、先に2位ロッテがヤクルトに敗れたため、楽天の勝利で優勝が決定した。2-2の6回裏2死満塁から、育成の南要輔(25)が勝ち越しの中前2点適時打。三木肇監督(42)は就任1年目での胴上げとなった。ウエスタン・リーグ覇者のソフトバンクと10月5日、ファーム日本選手権(宮崎・KIRISHIMAサンマリンスタジアム)を戦う。

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初優勝は三木イズムが浸透しつつあることの証明だった。その象徴が129番をつけた南だった。4回の守りで吉持が右手を痛め、急きょ出番が回ってきたが、心の準備はできていた。「ずっと監督やコーチから、途中から出る選手が重要と言われ続けてきたので、スタメンと同じ熱量でできる準備をしていた」。決勝打も直球を待ちながら変化球に対応すると決め、高めに浮いたカットボールをとらえてみせた。「優勝は決まったけどまだ試合は残っている。最後まで諦めずに、支配下登録を目指していきたい」と全く浮かれたところはなかった。

三木2軍監督はヤクルトのコーチ時代に「ヤクルトの頭脳」と呼ばれた。就任1年目でいきなり結果を出したが、決して勝負だけにこだわってきたわけではない。「スコアブックを見てもわからない部分をどうやって意識してできるか。常に何かないかなとアンテナを張ることを徹底的にやらせてきた。ボールの見極めや状況判断、精神的な部分といった、字ではわからない部分が野球ではものすごい大事」。一方で相手に左右されない基本を大切にする。「ウオーミングアップ、キャッチボール、シートノックは徹底的にやってきた。自分のチームのことを言うのは恥ずかしいけど、今日のシートノックは素晴らしかった。誰に見せても恥ずかしくないものだった」とすでに試合前から成長を感じ取っていた。

育成と勝負の両立は難しいが、初優勝の価値は大きいと感じている。「喜びを知った方がいい。勝つ経験はものすごい大事。これを1軍で味わいたいとさらに努力してほしい」。ファーム日本選手権に向けては「一発勝負というのはこの世界ではなかなかないので貴重な経験になると思う。全力でどうやったら勝てるかという。1プレーの重みがより出てくる」とあくまでも成長の場と位置づけ、初舞台に臨む。【野上伸悟】