中日大野雄大「みんながチャンスを」初最優秀防御率

阪神対中日 4回裏阪神1死、最優秀防御率のタイトルを確定させて降板する大野雄(右)は捕手加藤と握手を交わす(撮影・奥田泰也)

<阪神3-0中日>◇30日◇甲子園

中日大野雄大投手(31)が初タイトルの最優秀防御率をつかんだ。パーフェクトで迎えた4回、先頭近本を一ゴロに抑えた。広島ジョンソンの防御率2・59を抜く2・58とした瞬間、投手交代。「全力で10個のアウトを取りにいきました。すごくうれしい。まさか自分が取れるとは。みんながチャンスを作ってくれました」と感謝の言葉を並べた。

9月27日の広島戦。「大野のためにジョンソンを打とう」と円陣で野手が誓い、自責4をつけた。伝え聞いた大野雄は「絶対にタイトルを取らなあかん」と決意。4年ぶりの2桁勝利は捨て、投手コーチからの3回1/3降板の打診を承諾した。

降板時、9月14日に無安打無得点試合をやられた阪神のファンからも大きな拍手を受けた。結果的に降板によってライバルの逆転CS進出を後押しする格好になった。だが3年間苦しみ、前年は0勝だった元エースの復活は、来年の大きな希望になる。【柏原誠】