阪神近本「僕が3回塁に」矢野監督CSキーマン指名

ウオーミングアップする近本(右)と大山(撮影・渦原淳)

盗塁王にCSも任せろ! 阪神近本光司外野手(24)が短期決戦のキーマンに指名された。

全体練習再開のこの日、矢野監督がDeNA撃破の鍵として、ドラフト1位ルーキーの名前を挙げた。「近本やと思うけどね、俺は。勝っている時も近本が何かいい働きをしてくれている。やっぱりランナーで出ると、すごく向こうも嫌がる」。1年目から1、2番の上位で起用され、36盗塁で盗塁王に輝いた。敵地でも駆け回ることを期待した。

近本自身もキーマンとしての自覚は十分だ。練習後に汗をぬぐいながら、求められる役割について語った。

「正直、ホームランはいらないと思う。ホームラン1本で1点が入るよりも、僕が3回塁に出る方がピッチャーの消耗は大きいと思う。これからは個人の記録ではなくて、チームの記録になる。自分のやるべきこともそうですし、犠牲心もそう。1打席1球に全てをかけていきたい」

今季は横浜スタジアムで打率3割9分6厘と打ちまくった。特に同球場で左腕には15打数10安打の打率6割6分7厘とキラーぶりを見せている。初戦のDeNA先発は今永が予想され、先制パンチをかます可能性は十分にある。相性の良さには、「うーん…。それはわかんないです。あまり意識して野球をやってないので…。ただ、チームがいい流れに乗って行けるなら、それでいいんです」と意識せずに打席に立つ。

初戦の1回表、トップバッターが塁に出れば、勝機は広がる。矢野監督は「ヨーイドンで(塁に)出てくれたらいいし、2打席目も、3打席目もすべてのところで出てくれるのが、こっちの理想」と話す。3位からの下克上は、近本から始まる。【真柴健】