阪神矢野監督、6連勝の験担ぎ「赤備え」CSも勝つ

横浜入り前の練習を笑顔で見つめる矢野監督(撮影・清水貴仁)

赤パン出陣で甲子園帰還や!! セ、パ両リーグで5日にクライマックスシリーズ(CS)のファーストステージが開幕する。

DeNAと激突する阪神矢野燿大監督(50)は4日、日本シリーズで本拠地甲子園に戻ってくることを誓った。最終盤に逆転CSへとつなげた6連勝中は験担ぎで赤いパンツを連日着用。大一番もあやかりたい。

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大勝負に打って出る矢野監督は下着の色にまでこだわる。CS開幕直前の会見で知られざる事実を明かした。1敗すれば敗退が決まる瀬戸際で驚異の6連勝。逆転CSを決めた奇跡的な日々の験担ぎを問われると包み隠さず言った。

「あんまり験を担がないタイプだったけど監督になってから、むちゃくちゃ担ぐようになって。いまは違いますけど赤いパンツはいたり。球場にくるときは毎日。何種類かある。そのパンツを順番にはいてます」

会見中、笑いも起きたが、指揮官は勝つために真剣だ。「来るときに勝負には赤いパンツがいいって話だから赤いパンツをはいている。俺は野村(克也)さんみたいにユニホームの下にははいてない。球場に来るとき」と説明。勝負パンツで自宅から球場入りしていたという。この日は甲子園練習を指揮後、決戦の地の横浜に移動。ビジター戦のため、ホテルの自室で赤パンツをはいて過ごす。

「俺もやめようかなとは思うんよ。しんどい。また赤いパンツかと思いながら。でも、やらなかったら気持ち悪いからやっている」

赤は闘志をくすぐり、戦国時代も朱塗りのよろい甲冑(かっちゅう)などに身を包む「赤備え」と呼ばれる部隊があったほど。矢野監督も、真田幸村ら名将が愛したカラーにあやかる。敵将のラミレス監督は過去の短期決戦で奇襲を仕掛けた。警戒する選手を問われると「監督じゃないですか」と矛先を変えるが「何が起こっても『こういうことがあるんだな』という受け止め方でやればいい」と泰然としている。

相手先発は石田に決まり、今季13勝の今永は試合途中から第2先発で控える可能性も浮上する。だが「いいんじゃない。別にウチは嫌なイメージは何もない」と意に介さない。朗報もある。左足の張りで別メニューだったマルテの4番復帰が決定。指揮官は「ウチは挑戦者。何も守るものはない。甲子園で野球を、日本シリーズをやれるのは最高の幸せ。帰ってこれるよう精いっぱい頑張ります」。今季限りで阪神を去る鳥谷と必ずや甲子園に帰る。連勝中の超積極的な継投など、攻めの采配で赤鬼と化す。【酒井俊作】

◆勝負の赤パンツ 近鉄の梨田昌孝監督は04年、チームのスローガン「レッド de ハッスルOSAKA」にちなみ、赤パンツを着用。現役時代「ミスター赤ヘル」と異名を取った、WBC13年大会の山本浩二監督も、大会限定ではいて指揮を執った。サッカーは、C大阪を率いた小林伸二監督が05年開幕戦に赤パンで臨み、そのシーズン優勝争いに参戦した。また、ヤクルト時代の野村克也監督は93年、ラッキーカラーの「ピンク色」のパンツをはいて日本一を達成した。