則本政宗VS千賀官兵衛 パCS今日開戦

練習中、笑顔を見せる則本昂(左)(撮影・梅根麻紀)

パ・リーグのCSファーストステージ、ソフトバンク(2位)-楽天(3位)が今日5日、開幕する。

下克上の突破口を切り開く。大事なCS初戦を託された楽天則本昂は「思ったより緊張感もなく、リラックスしている。(3位でCSに進み)怖いものは何もない」と、ゆったり構えた。ソフトバンク千賀とがっぷり四つの勝負。今季圧倒的な数字で奪三振王となった相手エースが、昨季までタイトルを独占してきた自身の数字を念頭に置いていたことは知っている。「彼(千賀)はかなり意識していると思う。それをヒラリとかわすだけ」と軽やかに言った。

3月に右肘を手術。7月に復帰後は「(手術の影響で)体のメンテナンス的な部分で難しさがある」と漏らしたことがあった。もどかしい模索の日々すら糧とした。送り出す平石監督も「いろいろな経験をして、シーズン終盤には、ひと回りもふた回りも成長を感じた」と信頼は揺るぎない。

今季奪三振率はタイトルを取った2年目以降で最も低い8・87だが、バッテリーを組む足立は「安定感は(昨季までより)上がっていると思う」と新境地を予言する。2年前、同じ福岡でのCSファイナルステージでは、11三振を奪いながら敗れた。「期待に応えたい」。思いを背負ってマウンドに立つ。

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一方の先陣を切るソフトバンク千賀は「チームが勝てば何でもいい。どんな内容でもチームが勝てばOK」と必勝を誓った。V逸した9月24日以来、中10日で再び楽天と対決する。相手の先発は則本昂。今季初めて投げ合う。「とても楽しみ。今年初めて(の対戦)が、この大一番になった。気持ちが入った。しっかり0のイニングを増やしたい」と高ぶる気持ちを明かした。

今季227三振を奪い、14年から5年連続トップの則本昂からタイトルを奪い取った。「まだそのことは則本さんとは話していない。CSが終わってから」と、連絡も控えている。則本昂は侍ジャパンでともに戦い、尊敬する存在。変化球の投げ方などを情報交換するなど、お互いを高め合う。千賀が先発転向した15年から過去4度対決。1勝3敗と2つ負け越しているが、ここで投げ勝って3年連続日本一へ勢いをつける。

◆CSファーストステージの主なルール シーズン2位と3位が3試合制で対戦。球場は2位のホーム。引き分けを除いた勝ち数が同じ場合は2位球団が勝者。延長戦は12回まで。12回表終了時や12回裏の攻撃中に後攻の勝ち上がりが確定した場合、その時点でコールドゲームとなる。予告先発は両リーグとも実施。