広島小園が実りの秋へ二塁にも挑戦「いい方向に」

練習試合に出場した小園(撮影・前原淳)

広島小園海斗内野手(19)が、7日開幕のみやざきフェニックス・リーグで二塁にも挑戦する。

水本2軍監督が「野手の複数ポジション」を掲げ、遊撃を主戦場とする小園も今季守った三塁だけでなく二塁も守る。6日は宮崎の社会人チーム梅田学園との練習試合に「1番遊撃」でフル出場してマルチ安打をマーク。高卒1年目から58試合に出場した黄金ルーキーが、進化の秋に挑む。

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シーズン最終戦まで1軍戦力で戦った小園が、宮崎・日南市で来季へ向けて再始動した。7日から始まるフェニックス・リーグでは、水本2軍監督の方針である「複数ポジション挑戦」が決まっている。今季は2軍の主戦場も、1軍で先発した全試合も本職の遊撃。プロ入りまでは遊撃とリトルリーグ時代の投手経験しかなかったが、今季は初めてプロで三塁も守った。「いろんなところを守ることで(違うポジションの)気持ちも分かる。いい経験になると思う」。今秋はいよいよ二塁にも挑戦するが、心は前向きだ。

複数ポジション挑戦は可能性を広げるだけでなく、遊撃手としての視野や引き出しを増やすメリットもある。経験のない二塁手の動きや視界を知ることで、中継や併殺でのプレーに好影響が出る。玉木2軍内野守備走塁コーチも「ほかのポジションを守ることで指示も変わってくると思う。守る可能性もないわけではないだろう」と内野手としての可能性が広がる期待を口にした。

この日は宮崎の社会人チーム、梅田学園との練習試合に「1番遊撃」でフル出場。内野安打2本でのマルチ安打も、シーズン最終戦以来の実戦に「まだまだ全然でした。今日の結果を反省して、まだ明日につなげたい」と貪欲な覚悟を見せた。

フェニックス・リーグから秋季キャンプは、若手が最も伸びる期間といわれる。高卒新人として球団19年ぶりに開幕1軍入りを果たし、上位争いを繰り広げる中で53試合の先発出場を含め、58試合に出場した。そして再び実戦漬けの日々が始まる。「満足はない。いい方向に持っていける10月、11月にしていきたいと思います」。全力で走り続けるルーキーイヤーが、第2章に突入する。【前原淳】