八木沢荘六氏「懐の深い人でした」恩人金田さん悼む

八木沢荘六氏(1992年撮影)

プロ野球唯一の通算400勝投手で元ロッテ監督の金田正一(かねだ・まさいち)氏が6日午前4時38分、急性胆管炎による敗血症のため、都内の病院で亡くなった。86歳だった。

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金田正一氏がロッテ監督時代に現役投手としてプレーした八木沢荘六・日本プロ野球OBクラブ理事長(73) 1週間か10日くらい前に体調が悪いと耳にしまして、大丈夫かなと思っていたんですが。大変驚いています。金田さんがロッテというチームを一から作り上げ、日本一にまで導いた。厳しい人でしたが、懐の深い人でした。

最後にお会いしたのは約1年前ですね。金田さんが小山市(栃木)でOBを中心とした野球チームの監督を務めた時に、会いに行きました。その時は元気そのものでした。

金田さんが監督時代に、いくつか改革をされました。特に体作り。2月のキャンプ中の食事がガラリと変わりました。和洋中と何でもそろい、豪華になりました。その話が他球団にも伝わり、今ではどの球団も食事には力を入れていると思います。

あとたばこはダメ、冷房もダメ、試合の飲み物は冷たいものは禁止で温かい水やお茶を飲んでいました。体力を消耗するものはやってはいけない、という教えでした。野球については、フォームなどを矯正されたことは1度もありません。選手の個性を尊重してくれました。私にとって恩人ですから、非常に残念です。