広島会沢おとこ気残留!ファンと新監督の熱意で決意

広島会沢

おとこ気残留だ。広島会沢翼捕手(31)が10日、マツダスタジアムで会見し、今季取得した国内FA権を行使せずに残留することを発表した。宣言すれば他球団が獲得に動く可能性が高かったが、広島愛を貫き、3年総額推定6億円プラス出来高で基本合意した。直接ラブコールを送っていた佐々岡真司新監督(52)は、扇の要流出の危機を回避。V奪回に向け、懸念の1つを解消した。

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残留会見に臨んだ会沢が、ファンについて問われ言葉に詰まった。「手紙もたくさんいただきました…」。実は球団あてに多くのメッセージが郵送されていたという。「残ってほしい」「どこに行っても応援する」。それぞれの手紙に、熱い思いが込められていた。広島を愛し、広島に尽くしてきた選手会長は、心を揺さぶられていた。

カープ愛を貫いた。FA宣言していれば、獲得に動く球団が出る可能性は高かった。それでも「一番はカープがどのくらい僕のこと評価してくれるか。球団から温かい言葉をいただいて、そこまで悩まなかった」と説明。契約の細部は決まっていないもようだが、3年総額推定6億円プラス出来高の提示にも満足。他球団の評価を聞くことなく、残留を決断した。

もう1つ大きな決め手になったのは、佐々岡新監督のラブコールだ。監督就任会見前に電話をもらった。「お前の力が必要だという言葉は非常にありがたかったし、うれしかった」。この日直接残留を報告された佐々岡監督は「素直にうれしい。攻守の要。チームをまとめるというところで絶対に必要」と喜んだ。

会沢は今季リーグ1位の得点圏打率3割5分1厘をマークし、球団の捕手では最多となる3度目の2桁本塁打(12本)を記録。正捕手として投手陣をリーグ2位の防御率3・68に導き、選手会長として波に乗れないチームを支えた。会見では国内FA権を取得した菊池涼、野村らについても「一番は、いっしょにプレーしたいというのが本音です」と踏み込んで話した。チームリーダーとして、佐々岡カープも引っ張っていく。【村野森】