阪神西は開幕投手の筆頭候補「先陣を切れるように」

9、10月度の月間MVPを受賞し会見する西(撮影・加藤哉)

メッセに代わる新エースになるぞ! 9月度の「大樹生命月間MVP賞」が15日に発表され、阪神西勇輝投手(28)が14年以来2度目の栄誉に輝いた。

9月は4戦4勝の大車輪で、大逆転でのCS進出に大きく貢献。FA移籍1年目にチーム最多の10勝を挙げ、メッセンジャーの現役引退で来季は開幕投手の筆頭候補に浮上する。CS敗退無念を糧に若手投手陣を引っ張り、優勝を導く意気込みだ。

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「もう取れないと思っていたので取れて良かったです。いいピッチャーがたくさんいるので」。オリックス時代以来5年ぶり、思いがけない月間MVP受賞に、西の顔がほころんだ。

9月の防御率は驚異の1・93。西が登板した9月21日広島戦(甲子園)から自身の2勝を含め、チームは「奇跡の6連勝」で3位に滑り込んだ。「チーム的には厳しい状況、1つも落とせない中で、何とか4勝することができた。チームに貢献することができたのかなと思います」。大逆転CS進出の原動力になった。

そのCSでは悔しい思いも味わった。DeNAとのファーストステージ初戦に先発したが初回に左足に打球を受け、親指の爪を負傷して降板。巨人とのファイナルステージ第4戦は好投を続けたが、丸に決勝のセフティーバントを決められ、チームも終戦した。「3位という数字だったので、来シーズンはもっと上位に食い込めるように、精いっぱい頑張っていきます」。力強くリベンジを誓った。

オリックスからFA移籍し、1年目から先発の軸を務め上げた。チームトップの10勝で、今季3勝止まりで現役引退したメッセンジャーに代わってチームを支えた。西自身が重視するイニング数もキャリアハイの172回1/3をクリア。「来シーズンはもっとイニングを稼げるように。どんどん投げていきたいなと思います」。現状に満足せず、タテジマ2年目の飛躍へ貪欲だ。

今季まで開幕投手は5年連続メッセンジャーが務めた。だがエース助っ人が現役を引退した来季は、西が3月20日ヤクルト戦(神宮)の開幕投手の筆頭候補に挙がる。「来シーズン、後輩が出てきている中で、先発だったら自分が中心となって先陣を切れるように。アドバイスを送ったりできるように、気を引き締めてやっていきたいです」。投手陣を引っ張り、矢野阪神2年目の進撃を引っ張る。【磯綾乃】