ソフトバンク低め捨てて3年で2得点の天敵山口攻略

2回裏ソフトバンク1死二塁、グラシアルは左中間へ逆転となる2点本塁打を放つ。投手山口(撮影・梅根麻紀)

<SMBC日本シリーズ2019:ソフトバンク7-2巨人>◇第1戦◇19日◇ヤフオクドーム

ソフトバンク打線が「低めゴメン」で難敵を打った。今季まで3年連続交流戦で白星を献上していた巨人山口を打ち崩した。

1点を先制された直後の2回だ。1死から中村晃が低めを見極めて、浮いた球を右翼線へ二塁打。続くグラシアルが内角寄りの高めの球を「少し詰まったけど入ってくれて良かった」と左中間テラス席まで運び、2ランですぐさま逆転した。3回以降は試合が膠着(こうちゃく)したが、6回に中村晃が犠飛で大きな3点目をもたらした。この3年で20回2得点。1試合で多くても1点しか取れていなかった苦手右腕を攻略した。

天敵に対し、立花打撃コーチは「低めにストライクが来たらしょうがない。割り切っていけるかどうか」と得意のフォークを警戒し、あえて低めを捨てることで対策した。この日は3回までに3つの見逃し三振を喫したが、そのリスクを覚悟した上の徹底した姿勢が実を結んだ。