菊池涼「和ませたい」侍ジャパン結束へ秋山いじり

練習を終え稲葉監督らと笑顔で話す菊池涼(撮影・加藤哉)

広島菊池涼介内野手(29)が22日、サンマリンスタジアム宮崎でスタートした侍ジャパン日本代表の1次合宿で「秋山いじり」を予告した。気心の知れた1学年上の秋山翔吾外野手(31)と絡みながら周囲を和ませ、チーム内のコミュニケーションを円滑にする。11月のプレミア12での優勝を目指し、走攻守だけでなく、ムードメーカーとしても貢献する。鈴木誠也外野手(25)会沢翼捕手(31)も始動した。

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菊池涼は、侍ジャパンで自分のやるべきことを説明した。打って貢献することはもちろん、もう1つ大事な仕事があるという。「秋山いじり」。チーム内のコミュニケーションを円滑にするため、1学年上の好打者と“絡む”ことで、和やかな雰囲気を演出していく。「アッキ(秋山)と僕の絡みを見てほしい。それで和ませていければ」と、いたずらっぽく笑った。

菊池涼ならではの申し出だ。広島でも4学年上の松山を「松ちゃん」と呼ぶ。守備練習で捕球ミスをするたびにヤジを飛ばし、周囲の笑いを呼んできた。上下の壁をなくし、和気あいあいとした雰囲気をつくってきた。その気配りを侍でも発揮する。秋山は何度も同じ日の丸のユニホームに袖を通し、気心が知れた仲。いじられ役として、これ以上の存在はいない。

菊池涼の思いは、秋山にも伝わっている。「キクとは長いんで。役割はわかっています。笑ったりしていれば(見ている選手が)ふつうの話をしやすくなると思う。マッチさん(ソフトバンク松田)とかも(日本シリーズ終了後に)来るし、若い選手も入ってきてほしい」。チームのため、いじられ役を引き受ける。

菊池涼は全体練習終了後、メイン球場で近藤とともに特打に臨んだ。金子ヘッド兼打撃コーチの投げるボールを、ていねいに打ち返した。「僕らは生きた球を打っていない。監督は優勝したいと言っていたので、打たないと勝てない。監督には、元気とやる気はありますと言いました」。ムードメーカーとしてだけでなく、走攻守のキーマンとしても状態を上げていく。

投手も野手も一丸とならなければ勝てないのはわかっている。菊池涼は持てる力を出しきり、侍ジャパンを支える。【村野森】