川上哲治氏6度目命日 生きていれば「あっぱれ」と

命日で川上哲治氏が眠る墓には献花が捧げられていた(撮影・寺尾博和)

13年に亡くなった巨人V9監督・川上哲治氏(享年93)の6度目の命日にあたる28日、都内の墓前は由縁のある人々から供えられた色鮮やかな生花に囲まれていた。

「不動の4番」の名選手、9連覇を遂げた名監督だった。“球界のドン”と称され、巨人監督として前人未到の9年連続リーグ優勝、9年連続日本一の偉業を成し遂げた。

現役時代に「ボールが止まってみえる」と名言を残した『打撃の神様』。プロ野球史上初の通算2000本安打(2351安打を記録)を達成し、打率3割超えを12回もマークした。

巨人監督を14シーズン務めたうち、11度の優勝に導いた。常勝監督だった川上氏の墓参を終えた長男貴光(よしてる)氏は「きっと父も今年の優勝を喜んでいるでしょうね」と語った。

ある年、東京ドームに招待された川上氏のもとに試合前の原監督があいさつに訪れた。将来の巨人を支える若手を鍛えている最中と説明を受けて笑顔をこぼしたという。それが坂本勇人だった。

「父はリーグ優勝がすべてという考えの持ち主でした。日本シリーズの結果は別もの、自らが監督として勝っていたにもかかわらず、日本シリーズの勝ち負けはうんぬんいわれるが、1年間を戦い抜いたリーグ優勝にこそ価値があると話していました」(貴光氏)

川上氏は、日本シリーズに長嶋、王各監督で敗れたときも、監督の評価はリーグ戦にあるという“ドンの考え”をつづりながら「来年も頑張ってほしい」と電報を打った。

今から6年前の13年10月28日、史上最強監督は、原監督率いる巨人と、星野監督の楽天との日本シリーズ中に、教え子たちを見守るかのように天国へと旅立った。

貴光氏は「だから今年も生きていれば、リーグ優勝した原監督に『あっぱれだ!』と、来シーズンも頑張ってほしいといった祝福と激励の意味を込めた電報を送っていたはずですよ」と伝説の人をしのんだ。【寺尾博和】