中日ドラ1石川昂弥が仮契約、根尾ら並ぶ最高条件

仮契約を終え、バットを手に笑顔を見せる中日ドラフト1位の石川(撮影・森本幸一)

夢はでっかく、侍ジャパンの主砲だ! 中日からドラフト1位指名された東邦・石川昂弥(たかや)内野手(18)が1日、名古屋市内のホテルで入団交渉を行い、契約金1億円プラス出来高5000万円、年俸1500万円で仮契約を結んだ。小笠原、根尾に続く高卒ドラフト1位の球団最高条件の評価を受け、「日本の4番を打てる打者になりたい」とビッグな目標を掲げた。(金額は推定)

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竜、そして日本の4番へ-。プロの世界の入り口で、石川が大きな夢を披露した。「テレビでは鈴木誠也さんのバッティングを見ています。日本の4番を打てる打者になりたい思いは強くなっています。いつかはトップチームの日本代表に入りたい」。プレミア12に臨む侍ジャパンの強化試合を観戦する。視線の先にいるのは4番を務める広島鈴木だ。今年のU18日本代表で4番を張った若者は、プロでも日の丸を背負うことを目標に掲げた。

中日にドラフト1位で指名され、この日仮契約を結んだ。甲子園V経験の小笠原、根尾に並ぶ高卒球団史上最高額の契約条件。「契約条件は去年の根尾と同じ。それに値する」。石川を見続けた米村チーフアマスカウトが1位指名への転換点を明かした。今夏の愛知大会1回戦。各球団のスカウトが熱視線を送る第1打席が決め手だった。カウント2-1からの夏初スイングで石川は右中間スタンドにアーチを描いた。「見逃してからの初スイングが本塁打。緊張している中で仕留めた。僕のスカウト人生でもなかったことだ」。センバツ優勝時はドラフト2位候補だったが、1位候補に変わった瞬間だった。

高校屈指のスラッガーは球団の期待の大きさを正面から受け止めた。「ドラゴンズの4番を打って欲しい、と言われた言葉が心に残った」。チームは7年連続Bクラスから再建の途中にある。昨年ドラフト1位根尾との3、4番構想が実現すれば、常勝軍団への道が開ける。「1年間戦える体をつくること。目標は新人王を取ること。とにかく使っていただけるように、自分からガンガン、アピールしていきたい」。今回の入団交渉では、初めてANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋が選ばれた。地上28階のクリスタルルーム。本拠地を見下ろす場所から石川は強竜復活の使者になる。【伊東大介】