ジャッジは自信を持って NPBが審判講習会を開催

「アウト」「ストライク」の基本姿勢(撮影・鈴木正章)

<週中ベースボール>

自信を持ってジャッジしよう! 日本野球機構(NPB)主催の「初心者向け審判講習会」が11月23日、都内で開催されました。48人(女性16人)が参加し、NPB現役審判員から「アウト」「セーフ」コールのやり方や、立ち位置などの指導を受けました。「保護者審判」もプロも、大切なのは毅然(きぜん)とした態度。講習の内容から基本的な動きを説明しますので、ぜひ覚えてお役に立ててください。

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子供たちの少年野球や自らプレーする草野球で、審判を頼まれるケースってありますよね。どうやっていいのか分からないし、少し恥ずかしいからと、ちょっと敬遠していませんか? 審判としての基本を学ぶだけで、一気にレベルアップして見えます。

(1)アウト 拳を握って強くドアをたたくイメージ。親指を立てるのはNGです。コールの瞬間に膝を伸ばして体全体を大きく見せるようにしましょう。正確なコールは「He is Out」。「ヒズアウト!」と大声でコールします。

(2)セーフ 指先まで伸ばした両腕を、肩の高さで大きく水平に広げます。ここでもコールの瞬間に膝を伸ばし、体全体を大きく見せることが大切です。

(3)ストライク 動きはアウトと同じです。「ストライクワン」「ストライクツー」と順にコール。「ストライクスリー」の後に「バッターアウト!」は付け加えなくてOKです。

(4)ボール 特別な動作はいりません。

(5)タイム、ファウル 開いた両手を肩幅より広めに頭の高さに上げ、大きな声でコールします。同じく膝を伸ばし、体を大きく見せることを意識しましょう。

すべてに共通するのは、両チーム、観客を含め、見ている人に判定がはっきり伝わるよう、大きな声と動きでコールすることです。

次は球審について、基本を確認しましょう。

◆基本姿勢 両足を肩幅より広く構えて深く腰を落とします。高いと低めの判定が難しくなります。高さは、自分のアゴが捕手の頭の少し上になるくらい。右打者なら右足、左打者なら左足を少し引いて構えますが、両肩はあくまで投手に正対するようにしましょう。

◆立ち位置 打者と捕手の間(スロットポジション)に立ちます。ホームベースの後ろではありません。ファウルの打球から体を守ることにもつながります。

◆投球判定 基本姿勢で立ち位置についたら、体と頭は固定し「目の動きだけでボールを追って判定」をします。頭が動いてしまうと正確な投球判定ができません。慣れないうちは難しいですが、最も重要なところですので練習しましょう。

繰り返しになりますが、一番大切なのは、大きな声と毅然とした態度で、自信を持って判定することです。どうせやるなら基本を学んでカッコよく。今週末のグラウンドで大きな声を響かせましょう。

【鈴木正章】

■15歳から65歳の男女48人が参加

今年で2年目となる「NPB初心者向け審判講習会」には、15歳から65歳までの男女48人が参加した。球審の基礎以外にも、一塁、二塁、三塁の各塁審の基本や、実際によく起こるプレーとルールの確認。打球方向に応じて審判員が連動して動く「フォーメーション」の説明にまで及ぶ充実の2時間30分となった。

草野球でプレーし、審判も務めるという高村晃さん(50)は「少し昔の審判のイメージより新しい動き方や、フォーメーションなども勉強になった。今度やってみようと思います」。ウグイス嬢志望という今井綾乃さん(25)は「審判のことが分かれば、よりスムーズなアナウンスができると思い受講しました。細かい動きなど勉強になりました」と感想を語った。

講師陣のチーフとなる木内九二生(くにお)氏(53)は「審判というと難しいイメージを持たれますが、少しでも関心や興味を持っていただければ」。判定のコツについては「慌てないことだと思います。僕らプロでも『止まって見る』とか『プレーに正対する』という初歩的なことが大事。丁寧に判定することで、相手にも伝わると思います」と説明した。

▼講師役NPB審判員 

<15>木内九二生(53=22年目)<31>長川真也(32=7年目)<50>古賀真之(26=4年目)<52>山本力仁(25=4年目)<44>郡司真里(24=1年目)<29>川上拓斗(23=1年目)※名前の前の数字は袖番号