阪神藤川球児「嫌だったら、やめればいい」一問一答

公開自主トレを終え取材に応じる藤川(撮影・上田博志)

阪神藤川球児投手(39)が15日、沖縄・宜野座村のかりゆしホテルズボールパーク宜野座で自主トレを公開した。

藤川の一問一答は以下の通り。

-テレビで優勝したらユニホームを脱ぐかもと話したが

藤川 とりようじゃないですか、あれ。(収録が)去年の話だから、今、言える話じゃない。それは去年の段階で、優勝したいと、それくらいのモチベーションでやっているということね。それ以外のモチベーションがないということやから。年が明けてこれから向かうという時に、例えば「今年で引退します。優勝したいです」というと、引退が(話題に)走るから。野球選手のほうがチームより取り上げられる。俺は勝ちたいって言ったんだから。

-今の状態は

藤川 やりたいこと、やらないといけないことは順調に消化できているので、現段階ですけど、状態はいいかなと思います。(手応えは)ありますね、そこに関しては早く準備している分、状態としてはいいのかなと。今は本当に順調ですね。

-40歳の節目で日米通算250セーブまで残り7

藤川 今はまだ自主トレーニングの期間ということで、それよりも今やらないといけないことを慎重に慎重に進めている。それでいてパフォーマンスを上げる。レベルアップさせるトレーニング、キャッチボール、ピッチングも含めて、自分との勝負。やっていかないといけないことが、すごく細かい作業とそれでいて大胆な作業、両方を求められる。それが年齢の壁を打ち破ることになりますので。

-自分の経験や感覚が大事か

藤川 やっぱり感覚でしょうね。どうやって行けば自分が後悔しないか。やっぱり誰かに依存してやって誰かの責任にするんではなくて、自分でその道を切り開いていくというところ。駄目でも自分の責任だし、良ければ周りに支えてもらったということ。

-開幕が早い中、休みなく練習している

藤川 やめたら、休むわ。やめたら一生休めるし(笑い)。(一緒に自主トレする)彼らにも言ってるけどね。独立リーグから帰ってきた時も言ったけど、やめればいくらでも休める。やりたくてもできなくなるのが、この競技。「休みたい」はやめてから言えばいい。嫌だったら、やめればいいと思う。そういう年齢にさしかかっている。

-ウエートトレを一昨年に思い切ってやめた

藤川 何回も失敗している。全部、ウエートトレーニングで失敗しているから、今まで。若い時にこれ以上の結果を出すために、何か自分への誇りがなきゃみたいなところで、ウエートトレーニングをやったり、ランニング量をものすごく増やしたりしたけど、まあ生きなかったね。それをやって、「俺、こんだけやったからみんな認めるやろ」みたいな生き方をやめました。そうじゃない。

-今、明かした理由は手応えがあるから

藤川 やっぱり聞かれるし、メディアを通じて、こうやって話す機会もなかなかない。トレーニングをたくさんやってうまくいっていない選手や、うまくいかないからトレーニングしなきゃいけないと思って野球をすることより、トレーニングに必死になっている選手もいるかもしれない。努力するのが、かっこいいのはプロじゃない。誰でもしてることだから。プロだとしたら数字出してチームに貢献して、やってほしい時にやるのがいい選手だと思うから。それは僕の発想ね。

-自分の中では体が動きやすくなる

藤川 自分の中で扱える。30歳ぐらいかな? 27、28歳から、ものすごいトレーニングやランニング量を前日にやったからって次の日、自分の体が動くのか、全然そんなことなくて。結局、休みが必要だから。球数も同じなんじゃない? 100、150、200球、僕らの時代は投げていたから。それで良くなるって聞いてたけど、ケガしかしなかった。今は誰も投げないじゃない。やっぱりそれが合わない人もいるから。球数を抑えることで、今のピッチャーの平均の球速も上がってるし。そういう意味では新しいことがどんどん入ってきて。ヨガをやったり、ピラティスも全部やったし。いちいち全部言わないけどね。正解かどうか分からないことを、みんな、子どもたちが正解だと思ってしまう。その辺の悩みもあって言ってなかったけど。これ(ウエートをやめたこと)を答えとして感じることだったから。

-他球団のクローザーへの意識は

藤川 勝負しなきゃいけないし、でもその勝ち負けっていうのは本当はクローザー同士で争うものじゃないから。セーブ数はチームの展開次第で、自分で決められないから、僕はどこでもいいと元々言っていたし。だから防御率0点の数を持ってくることしか興味がない。3点差で挙げるセーブなんて全然難しくないし。

-自分自身と比較することが一番

藤川 そうそう、だから、この成績だと思う。自分が自分としているためにはバッターを抑えないといけない。過去も現在も未来もなく、やるなら抑えないといけない。やってきたことは関係ないから。今、やらなきゃいけないから。今やって、明日もやって、あさってもやって、ここまで来ているから。27、28歳と比べたら、もちろん体力的には練習量もそこまでこなせないし、だけど野球という競技で、年間に60試合、70試合投げた時のスコアは超えてこないといけないし、超えられると思っているからやっている。もしその時の自分に立ち向かえないなら、やっていないかもしれないね。だから0点台で上がりたい。1点台は普通。2点台はダメという発想やから。